Waves / Platinum レビュー

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講師の鈴木です。

今回はWavesの人気バンドルである「Platinum」バンドルを紹介します。

生徒の皆さんを見ていても、所有率の高いGoldバンドルは定番アイテム化していると思いますが、その1つ上のPlatinumにアップグレードするとどう変わるのか…と悩まれている方も多いのではないでしょうか?
Wavesはプラグイン数が多いだけに、どのプラグインがどのバンドルに含まれているのか…など分かりにくい部分もありますので、収録プラグインについてもまとめてみました。

Wavesのバンドルは、基本的に上位版になるにつれてプラグインが追加されていく方式ですので、Waves Goldから追加されるプラグインに絞って見ていきたいと思います。

Waves Goldの収録プラグインについては、3回に渡って紹介していますので、過去の投稿をご覧下さい。
https://dawlesson.net/review/2014_waves-gold1/
https://dawlesson.net/review/2014_waves-gold2/
https://dawlesson.net/review/2014_waves-gold3/

目次

L2 Ultramaximizer

GoldにバンドルされるL1Ultramaximizerの上位版が、この「L2 Ultramaximizer」です。L1でリミッティングさせたときの歪み感や音色変化が改良されています。
なお、Lシリーズについては、各製品の音色比較も含めて過去に紹介していますので、詳しくはこちらをご覧下さい。
https://dawlesson.net/technique/201406_waves_l/

Linear Phase EQ

Linear Phase EQ」はその名の通りのリニアフェイズのEQです(笑)。 GoldにはリニアフェイズEQがついていませんので、リニアフェイズのEQが欲しい場合にはPlatinum以上〜 ということになります。

リニアフェイズEQというのは、通しても位相ズレが起こらないタイプのEQ。逆に言えば、通常のEQはブースト/カットを行うことで位相のズレが生じるということです。そもそも位相ズレが何かといえば、ここでは特定の帯域だけ音が遅れたり、逆に進んだりと時間軸にズレが発生していると思っておけばOKです。

音が遅れたり進む。文字で見るととんでもないことのように思えますが、トラック単体で聞いたときにはまったく問題はありません。というより、どのようにずれるかが、そのEQの個性にもなっています。
ただ、バスやステムで使う場合は話が変わってきます。複数のチャンネルにまとめて掛ける訳ですから、微妙な位相ズレでも大きな問題につながるのです。

リニアフェイズについてはメリットとデメリットが両方あるのですが、趣旨と変わってしまうので、詳しくは別の機会に紹介しようと思いますが、多少CPU負荷が高くなったりレイテンシーが出ても、音色変化のないイコライジングがしたい! というときに活躍してくれるのが、このLinear Phase EQです。

Linear Phase EQは5バンドのパラメトリックEQ+低域用のLFバンドを装備。使い方自体は通常のEQとまったく変わりませんから、REQなんかと同じ感覚で使えます。なお、5バンドはそれぞれ9タイプ、LFバンドは5タイプのフィルター・カーブを選択できます。ゲイン範囲は最大±30dBまで設定できるので、かなりガッツリ効かせることも可能です。
ちなみに、中低域(〜600Hz)までの3バンド仕様のLinear Phase EQ Lowbandというプラグインもバンドルされています。

リニアフェイズだから良い! という訳ではありませんので、通常のEQと挿し比べてみるのが良いと思います。

Linear Phase Multiband

同じくリニアフェイズ仕様のマルチバンド・コンプレッサーが「Linear Phase Multiband」です。
5バンドが完全独立になっており、各バンドの要素だけをソロ再生できたりと使い勝手の高さも魅力です。MASTERセクションのパラメーターを使うことで、全バンドのパラメーターを同時に上下したり、画面内のグラフィックをマウスで直接操作できるのでEQ的にも使えますし、触ってみると意外と直感的に使えるプラグインだと思います。

機能的にも、RCompなどでも使われているARC(自動リリース調整機能)や、効果の反応感度を調整するAdaptiveスレッショルドなど面白いものが搭載されています。

MaxxVolume

MaxxVolume」は名前からして「レベルを稼ぐ」ためのプラグイン! という感じ。確かにそういう一面もあるのですが、単にLシリーズのようなリミッターとは少し違った効果を生み出すことができます。
技術的には、L2のリミッティングとC1やRCompなどのアルゴリズムを組み合わせたというもので、大きな音と小さな音を個別にコントロールすることができます。通常のリミッターは、スレッショルドを超えた音量を潰すことで全体のレベルを引き上げます。つまり、音量の高いところから潰れていってしまう…というのが基本。

それに対してMaxxVolumeは、レベルの小さい部分の音量だけを独立して引き上げることができますから、音の大きいところはそのままに、小さい部分だけを引き上げて全体の音量感をプッシュする。なんてダイナミックなダイナミクス処理が行えます。そのため、LOW LEVELセクションの音量はプラス、HIGH LEVELはマイナス方向にしか働きません。

これ自体はWaves GoldにバンドルされていたMV2と同じ。MV2は低域と高域のレベル・コントロールしかできませんでしたが、MaxxVolumeでは各バンドに独立したスレッショルドとゲインが追加されたことで、より細かいダイナミクス・コントロールが行えるようになっています。コンプ感を出したくない場合はかなり重宝しますし、スレッショルドはバイパスすることもできます。

また、画面中央のセクションはゲートや最終的な出力レベル、さらにリリース・タイムを変化させることでサウンド・キャラクターを切り替える「SOFT/LOUD」といったパラメーターも搭載されています。

このプラグインは、各チャンネルよりもバス・チャンネルに使うと効果的だと思います。通常のコンプよりも感覚的で効果的にダイナミクスを整えられますし、MaxxVolumeで均した後でLシリーズを使えば、より効果的にリミッティングが行えます。

適当に弄るだけで迫力のあるサウンドが作れるので、かなりオススメです。

OneKnob Driver

その名の通り、1ノブだけ! というシンプルさを追求したプラグイン・シリーズ「OneKnobシリーズ」の1つで、歪みを加えることができます。
歪みといっても様々な歪みがありますが「OneKnob Driver」の歪みは音のキャラクターを作るような印象。例えば909系のキックに軽く掛けて音を引き締めることができます。もちろんパラメーターを上げていくとディストーション・レベルまで歪んでくれるので、音作りに活用することも可能だと思います。
他のOneKnobシリーズもそうなのですが、ノブを回していくと内部で複数のパラメーターが有機的に動いているようで、どんな設定でもいわゆる音楽的な効果を作ることができます。

特に効果的だと思ったのは、シンセ音色や生楽器ではエレキ・ベース。軽く歪ませてラインを浮きだたせるような使い方に向いている印象です。簡易的に見えるOneKnobシリーズですが、かなり実用的なプラグインだと思います。

PuigTec EQs

EQP-1Aをモデリングした「PuigTec EQP-1A」と、ミッドレンジに特化した「PuigTec MEQ-5」の2プラグインで構成されたEQプラグイン。
EQP-1Aは、同じ周波数にブーストとカットが行えるという変わったEQなのですが、こうすることでレゾナンス・シェルフと呼ばれる独特のEQカーブを作ることができます。これがかなりイイ感じで、特にキックやベースなど低域楽器との相性が抜群です。

PuigTec EQは以前にも取り上げていますので、詳しくは以下のリンクからご覧下さい。
https://dawlesson.net/technique/201410_waves_jjp/

Renaissanceシリーズ

お馴染みRenaissanceシリーズも強化。Goldバンドルから追加されるのは、以下の4プラグインです。
・Renaissance Bass
・Renaissance Channel
・Renaissance DeEsser
・Renaissance Vox

いずれも過去に紹介しているので、詳しくはそちらをご覧下さい。
https://dawlesson.net/review/2013_waves-renaissance/

まとめ

GoldとPlatinumの差分を見てきましたが、いかがだったでしょうか?
収録プラグイン数で見ると、Goldが「38個」なのに対してPlatinumは「50個」(※2016年10月現在)。この差と価格差をどう考えるか…ですが、差分プラグインを見てもわかる通り、L3シリーズやリニアフェイズ系など、マスター系の必須プラグインが揃うのがPlatinum。プリマスタリングまでしっかり完結したい! という方はPlatinumがオススメです。定期的に行われているセールを活用すれば、かなりお得にアップグレードが可能です。
一方で、ミックスの基礎プラグインだけでOKという方や、他社のマスタリング・プラグインなどを併用するのであればGoldでも十分。という考え方もできると思います。

2016_wavespl_9 ← クリックで収録プラグインの比較表が開きます。

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