Positive Grid / BIAS Head

講師の鈴木です。

今回は、今週発売されたばかりのPositive Gridのハードウェア・アンプ「BIAS Head」を紹介します。
海外では数ヶ月前にリリースされていましたが、ようやく国内販売がスタートしたとのことで早速テストしてみました。
http://www.minet.jp/brand/positivegrid/bias_head/

なおプラグイン版のBIAS Ampと被る部分が多いので、コチラをご覧頂いてから読んで頂けると、よりBIAS Headのことがお分かり頂けるかと。。
https://dawlesson.net/review/2016_biasamp/

BIAS Ampがハードウェアになった!

プラグインでお馴染みのBIAS Ampをハードウェア化したのがBIAS Head。単なるハードウェアではなく、クラスDの600W@8Ωのパワー・アンプを搭載し、キャビネットに繋ぐことで通常のアンプ・ヘッドとして使うこともできるデジタル・アンプです。
本体はパネルなどは金属製ですが、重量は7.7kgと十分持ち運びが可能な重さなのもポイントです。

2016_biashead_2
まずは概要からざっと紹介すると、本体はスタンドアローンで動作可能。あらかじめ25タイプ(5カテゴリx5バリエーション)のアンプ・モデルが搭載されており、アンプ・タイプを選択後は、GAINやTONEで音を作っていく…という通常のギター・アンプと同じ感覚で使うことができます。

 

BIAS Ampの特徴は、膨大なパラメーターを使ってギター・アンプを自分好みにカスタマイズできる点ですが、BIAS Headにはその中からPreampセクションの「TUBE STAGES」と「DISTORTION」、「NORMAL/BRIGHT」スイッチ。パワー・アンプ・セクションから「TOPOLOGY」と「POWER AMP」のコントロールが厳選して搭載されています。ちなみに、本体右上の「CUSTOM」には、自分が好きなパラメーターをアサインして使うことができます。
プリセット選択後、変更したパラメーターを「SAVE」することでプリセットの上書きも可能です。さらに、キャビネット・シミュレーターはスイッチ1つでバイパスすることができます。

2016_biashead_3また、背面には入出力も充実しています。ギター・キャビネットに接続するSPEAKER OUTに加えてライン・アウトはバランスXLR/アンバランスの2系統(グランドリフト対応)。1系統のエフェクト・ループにヘッドホン、MIDI(IN/OUT/THRU)、2系統のフット・スイッチと、通常のデジタル・アンプよりも豊富なIOを装備。センドはパラレル/シリアルを切り替え可能です。
ライブでは本物のキャビネットに接続して使い、自宅ではラインで使う…という2つの使い方のどちらにも対応できるようになっています。

BIAS Ampとフル連携可能!

これだけだと「プラグイン版より機能が減ってるじゃん!」となってしまいますよね。ぶっちゃけ、BIAS Headのツマミだけでも十分な音作りができますが…。

2016_biashead_4BIAS Headはハードウェアのツマミは限られているものの、内部ではプラグイン版のBIAS Ampと同じエンジンが使われており、パソコン上のBIAS Amp、もしくはiOS上のBIAS Ampと組み合わせることでフル・パラメーターにアクセスできる仕組みです。ちなみに、パソコンとはUSB、iOSとはBluetoothで接続します。
BIAS Headには、BIAS Amp Professionalのライセンスがバンドルされているので、ここではパソコン版のBIAS Ampを使って紹介します。
BIAS Headが接続された状態でBIAS Ampを起動すると、自動的に「BIAS HEAD REMOTE MODE」で起動します。このモードでは、パソコン上のBIAS Ampは完全にエディターとして動作し、音の入出力やエフェクト処理はすべてBIAS Head上で行われます。

プラグイン版同様にアンプ・タイプを切り替えたり、パラメーターを調節していけばOKです。ちなみに、REMOTE MODEで動作しているときには、BIAS Headのツマミ位置とエディター内のパラメーターがリンクするので、ちょっとしたコントローラーとして使うことができます。BIAS Headのツマミで基本となる音を作ったら、そこからマウスで微調節していく方法がスマートだと思います。

2016_biashead_5カスタマイズした音色は、「Save to Head」を選ぶことで、そのままBIAS Head上に記録可能。この作業を行うことで、BIAS Headの25プリセット・バンクの内容をフル・カスタマイズすることができます。
本体のシルクにはCLEANやGLASSY〜となっていますが、すべてハイゲイン系のセッティングで埋め尽くすことも可能です(笑)。また、アンプ・モデルの中には「BASS」もありますから、ベース・アンプとして使うのもOKです。
BIAS Ampで作ったサウンドはもちろん、アンプ・マッチングやToneCloudでダウンロードしてきたパッチもそのまま転送できるので、レコーディングで使ったプラグインとまったく同じパッチでライブが可能になる…というのがBIAS Headの最大の特徴だと思います。

BIAS Ampとどう違うのか

プラグインでお馴染みのBIAS Ampがハードに! とキャッチーな製品ではありますが、気になるのはプラグインとの違いだと思います。実際に同じパッチをBIAS AmpとBIAS Headの両方で試してみたところ、圧倒的にBIAS Headの方がアンプを弾いたときの質感に近い印象でした。
2016_biashead_8BIAS Amp自体、他のプラグインに比べてもプラグイン臭さというか、低高域がツルッっとしている感じが少ないと感じていましたが、その傾向がより強くなっています。恐らく入力インピーダンスなどが影響していると思うのですが、よく聞くと分かるような微妙な違いではなく、音を出したらすぐに気付く位の違いがありますよ!

もちろんBIAS Headからラインで出してADをもう一度通っているので単純に比較することはできませんが、弾いていて楽しいのは圧倒的にBIAS Headの方です。

後は、単純に音作りが楽。マウスで画面を行き来する必要もないですし、音決めはハードでやった方が圧倒的に早いと思います。もちろんアンプですから、コンパクト・エフェクターを持っている人はそれをインプット前に繋いでもOKです。

キャビネットで鳴らしてみた

2016_biashead_6次に、パワー・アンプ内蔵モデルの特徴であるキャビネットとの組み合わせてみました。今回のキャビは、どこのリハスタにもおいてあるであろう、ド定番Marshallの1960Aです。BIAS Headのアンプ出力が600Wもあるので、音量的にはまったく問題ないと思いますし、普通のアンプ・ヘッドとして使えます。ちなみに、キャビネット・シミュレーターはスイッチ1つでバイパスできるようになっています。
音的にも、基本的にはラインで使っていたときと同じ感覚ですが、ラインで作ったMarshallの音と、実際のMarshall JCM 900と比べると、キャビネットで鳴らした方が若干ハイが出るかな、という印象。キャビネットとの相性もありますし、自分のアンプを持ち込むにしても微調整は必須ですから、大きなデメリットではないと感じます。また、セッティングによってはノイズが気になることもあったので、使うキャビネットに合わせた微調整は必須だと思います(ノイズゲートは内部パラメーターにあります)。
また、いつも使うキャビネットが決まっているならば、その状態でTone Matchプリセットを作っておくというのも手かもしれません。

2016_biashead_7わざわざスタジオにコンピューターを持ち込むのは面倒ですから、そのときはiOSアプリのBIAS Ampでリモートすれば良いかと。この辺りが柔軟に使い分けられるのもBIAS Headのメリットではないでしょうか。

ちなみに、パッチ・チェンジや各パラメーターはMIDI CCでコントロールが行えます。設定もBIAS Ampの画面からCCナンバーを選ぶだけなのでめちゃくちゃ簡単!

4つのラインナップ

今回はパワー・アンプ内蔵でミニ・ヘッド型の「BIAS Head」を使いましたが、まったく同じ仕様で形だけラック・タイプになった「BIAS Rack」。そしてそれぞれにパワー・アンプ非搭載の「BIAS Head DSP」、「BIAS Rack DSP」という合計4ラインナップが展開されています。
キャビネットを鳴らしたいならパワー・アンプ内蔵タイプを選んでおいた方が良いと思いますが、レコーディング主体、もしくはライブもラインで出す派、プリアンプとしてだけ使いたいというのであれば、DSPモデルでも良いかと。お値段も大分安いですから。

まとめ

パッと見るとモデリングのデジタル・アンプのようにも見えてしまいますし、パワー・アンプを内蔵している点などはKemperと比較してしまいがちだと思いますが、実際に触ってみると既存のどんな製品とも違う製品ということがよく分かります。

活動のほとんどがライブで、真空管アンプとBIAS Headを迷う。そんな製品ではないと思いますが、レコーディングが主体で、持ち運べるアンプが欲しいな…と思っている人は選択肢に入れてみると面白いと思います。完全に宅録でしか使わない場合にも、プラグインよりも音が良いですし音作りも楽。当然レイテンシーもありませんから、レコーディング・ツールとして十分アリな製品だと思います。

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