5本のライン・ケーブルのサウンドを比較してみた(比較ファイルあり)

講師の鈴木(@dawlessonです。

音楽をやっていると、少しでも音質を良くしたい(この表現にも語弊がありますが…)と思うのが常。そこで、度々話題に上がるのが「ケーブル」です。

音声ケーブル、デジタル・ケーブル、電源ケーブル…など、音が通るものからそうでないものまで色々ありますが、今回は中でも「ラインケーブル」に焦点を当て、5本を聴き比べてみました。比較に使用したオーディオ・ファイルも公開しますので、ぜひご自身の環境で聴き比べてみてください!

ケーブルの種類

毎度お馴染みですが、一応の基本からおさらいを。

世の中には色々なケーブルがありますが、楽器/音楽制作で使われるオーディオ・ケーブルというと、

  • マイク(ライン)・ケーブル
  • 楽器用ケーブル(シールド)

がほとんどだと思います。というか、線材自体の云々よりも、付いているコネクターによって違う名前で販売されていたりもしますし、そこはあまり深く考えなくて大丈夫だと思います。

ただし「スピーカー・ケーブル」と呼ばれるものだけは注意。その名前からモニター・スピーカーにつなぐケーブル…なんてイメージを持ってしまうかもしれませんが、ケーブルの構造自体も通常のオーディオ・ケーブルとは違いますので、別モノと考えて下さい。

サウンド変化の原因と、2芯と4芯

ケーブルで音が変わる理由…というのは、色々な理由が挙げられていますが、曲を作る上では理論云々よりも“変わる“という結果だけ知っていれば十分だと思いますので、ここでは深く触れないでおきます。。気になる方はググってみてください! 玉石混交、色々な議論があります。。

音声用ケーブルには、構造の違いでざっくりと2つの種類に分類することができます。構造の違いによって、特性やサウンド傾向が異なるとされています。それぞれの特長を簡単にまとめてみると…

2芯ケーブル

まず1つ目が「2芯ケーブル」。その名の通り、ケーブルの内部に2つの芯線が入ったベーシックなタイプです。一般的に音声ケーブルといったら、このタイプでしょうか?

次の4芯ケーブルに比べて、線間/静電容量が低く保たれるために、一般的に高域の落ち込みが少ないとされています。その反面、ノイズ耐性はあまり高くないので、マイク・レベルのローゲイン信号よりライン・レベルに適しています。

4芯ケーブル

それに対し、4本の芯線を使っているのが、4芯ケーブル(電磁シールド・ケーブル)です。2芯ケーブルとの大きな差がノイズ耐性。そのため、マイク・レベルを扱う場合にはこちらが向いているとされています。


こういったケーブル解説で言われる“ノイズ“というのは、数メートル(場合によっては数百)引き回した場合が多いので、せいぜい3m程度の自宅レコーディングでは、そもそもケーブルがノイズを拾ってしまう…というのはあまり気にしなくても良いと思っています。

これを踏まえた上で、5本のケーブルを見ていきましょう!

試聴方法と、ファイル公開

今回は、各ケーブルの純粋な音の違いを確認するために、オーディオ・インターフェイスのアウトからマスター・レコーダーの間に各ケーブルをステレオで使用。同じサウンドを再生し、音の違いを比べてみました。

【ケーブルの仕様】
各ケーブルとも、XLRオス – XLRメスの各1m。Classic Pro以外のケーブルは、すべて自作しています。コネクタはNeutrikのNC3、ハンダはケスターを使っています。

【使用環境】
DA:Apogee / Symphony I/O
RECORDER:TASCAM / DA-3000

【比較サンプル】
・アコースティック・ギター、エレキ・ベース、ドラム、オケ全体 の4種類

【ファイルのダウンロード】
以下リンクより、非圧縮のwavファイルがダウンロードできます。
http://firestorage.jp/download/a7cda2ba903fb4eeef7bda54675ece1bb5fda1b4

Belden / 8412

Beldenを代表する、超定番ケーブルですね! 2芯構造です。

音質的には中低域がパワフルな、いわゆる“太い“サウンドと言われ、特に楽器やマイクで使っている方が多いのではないでしょうか? 私自身、ベース用のシールドの選択肢の1つとして8412は持っています。特有のガッツのある感じというか、音像が大きくなったかのようなイメージで、気持ち良いんですよね(笑)。

ジャケット(外皮)もしっかりしていて、他のケーブルと比べても巻き後が付きにくいのも、つなぎ替えや移動の多いシーンでは使いやすいと思います。

ですが、低域が強いのではなく高域がないというイメージ。そのため、レコーディング機器用途には不向きな印象でしょうか。

Belden / 88760

現在、モニター周りで使っているのが、この88760。同じく2芯構造です。

サウンド傾向的には、8412のクセを薄くし、かつレンジを広げたようなイメージでしょうか。高域までしっかり出てくれるのですが、人によっては「固い音」という印象を持ってしまうかもしれません。

このケーブルのキーワードは、やはり「固い」だと思います(笑)。音だけでなくケーブル自体も固く細いので、取り回しは正直悪いです。床にぶつかれば、その衝撃を音として拾ってしまうので、固定機材以外で使うのはオススメしません。

ですが、個人的にはその固さがモニターには向いていると感じているのと、細いのでマルチ・ケーブルにも使える。という面も気に入って居ます。※8本まとめて、D-SUBコネクタにおさまります。

CANARE / L4E6S

この手のケーブルでは、最もスタンダードで入手しやすいのが、CANAREのL4E6Sではないかと思います。

特にステージ系ではどこにいってもある。そんなケーブルですね。こちらは4芯構造です。

サウンドに関しては、Beldenのような派手さは一切なく、比較すると大人しくて地味な印象を持つのですが、言い換えれば素直ということで、使う機材の特性を把握しやすいような印象があります。

ケーブル自体も細身にもかかわらず、しっかりと剛性があり、変なクセも付きにくいというのも魅力かもしれません。

そして何より安い! ケーブルのみの場合、100円程度/m ですから、本数を作る必要があるシーン、長いケーブルが必要な場合などコストを落としつつ、安定クオリティーを得られます。どんなシーンでも失敗しない。さすが定番とされるだけのことはあるなぁ、と再認識です。

Classic Pro / CXX010

お馴染み、サウンドハウスのプライベート・ブランドであるClassic Pro。2芯の「機材用ケーブル」として販売されているのが、CXX010です。

存在は知っていましたが、あまりの安さに不安を感じ、これまで買ったことはなかったのですが…。今回、比較のために初めて購入しました。1mで、価格はなんと350円! これは、ノイトリックのXLRプラグより安い金額です(笑)。

さすがにこの価格ですから、手に持ったときの質感や信頼性というのは不安を感じます。コネクタも金属が薄いのが伝わってきますし、ケーブル自体もふにゃふにゃしていて…。

…と、音を聞くまでは懐疑的だったのですが、値段を考えれば納得できる音ではないでしょうか??

正直に言えば、低域/高域ともに不足してコンパクトな音なので、モニター周りには使いにくいのですが、それを知った上で音作りに活かす、という視点ならば問題なさそうです。

MOGAMI / 2534

ラストは、MOGAMIの2534。4芯ケーブルです。

こちらもスタジオの定番ケーブルといって良いと思います。

ライン楽器の一部とマイク・ケーブルで使っていますが、非常に優秀なケーブルだと思います。今回の中では、CANARE L4E6SとBelen 88760の中間というか、ハデ過ぎず、かといって不足感もない…。そんな絶妙なバランス感で、好みを選ばずに使えるのかなぁ、と。

価格も安く、メーター辺り200円以下でこのサウンドが得られれば、大満足できると思います。個人的な印象で言えば、カナレの上位互換といったイメージです。

難点を上げるとすれば、多少柔らかいために、ケーブルの巻きクセが付きやすいこと位でしょうか。。

まとめ

ということで、5本のケーブルを見てきましたが、皆さんはどれが好みでしたか?

前回のクロックよりも、明確に違いが出たかなぁ、と思いますが、これも本当に好みですね。私個人的には、Belden 88760かMOGAMI 2534が好きでしたが、一緒に比較をしていた堀田先生はCANAREが好みだった、と。良し悪しじゃないということですね。

また、今回は1mという極めて短い距離でのテストでしたので、2m、3mと長くなればなるほど、さらに違いは明確になると思います。


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