TASCAM / iXR レビュー

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講師の鈴木です。
今回のblogは、TASCAMのUSBオーディオ/MIDIインターフェイス「iXR」をピックアップしてみました。

TASCAMと言えば低価格帯のオーディオ・インターフェイスで人気のあるブランドですが、特にUS-2×2に代表される最近のモデルは、ワンランク上の価格帯の製品と比べてもまったく遜色ないサウンド・クオリティーだったりと、日本のブランドらしく費用対効果の高い製品を作っている印象です。
iXRはiOSデバイスに直接接続できるモデルということで、その辺りも詳しく紹介していきます。

https://tascam.jp/jp/product/ixr/top

目次

必要十分な基本性能

まずは、オーディオ・インターフェイスとしての基本的な部分から見ていきます。
入力はXLR/TSコンボ・ジャックが2系統に、TRS出力が2系統という2イン2アウト仕様。入力の2チャンネルには独立したHi-Zスイッチが付いているのもポイント。この価格帯のモデルだと、Hi-Zに対応しているのがどちらか片方だったり、切り替えが個別に行えない場合が多いので、iXRの仕様は使いやすいと思います。
マイク・プリアンプには、業務用レコーダーから移植されたUltra-HDDAマイク・プリアンプが採用。これもUS-2×2と同じですね。

2016_ixr_2

2016_ixr_3

ちなみに、最近は各社とも内蔵マイク・プリアンプの質にこだわっているのが当たり前になりましたが、特にバスパワー駆動のモデルでよくあるのがゲイン不足。特にゲインの低いダイナミック・マイクを使う場合に、ゲインをかなりプッシュしなくてはいけなかったりするのですが、iXRのゲイン幅は57dB。バスパワー駆動のモデルとしてはかなり優秀な部類だと思います。

2016_ixr_4その他はダイレクト・モニター用のINPUT / PLAYBACKのレベル調整やライン・アウトとヘッドホンそれぞれに独立したボリューム・コントロール、1系統のMIDI入出力と、通常使う面ではまったく問題ない仕様。ボディーも金属製でかなりしっかりしています。

ドライバもシンプルで、弄るところはバッファ・サイズ程度。Macの場合には標準ドライバで動作するので、ドライバさえ不要です。

サウンド・チェック

オーディオ・インターフェイスでもっとも気になるのは音質の部分だと思いますが、ほとんどUS-2×2と同等の印象です。聞き比べても大きな違いがないので、中を空けて詳しく調べた訳ではありませんが、おそらく内部パーツや構成も近いのだと思います。
以前にUS-2×2と、他社(Focusrite / Rolad / Steinberg / PreSonus)のオーディオ・インターフェイスのサウンド比較を行っていますので、そちらを聞いていただければ、iXRの傾向は掴めると思います。
https://dawlesson.net/review/2015_audiointerface/

個人的にTASCAMの音に感じるのは、ローミッドの落ち着き感と堅実さ。ハデさや広がりなどはないのですが、ボーカルの帯域がどっしりとしていて、奥行きも掴み易いので作業しやすいと思います。

iOSで使ってみた

2016_ixr_5そして、iXRの最大の特徴がiOSデバイスに直接接続できるという点。最近はUSBクラス・コンプライアントに対応していてiOSデバイスでも使用可能なオーディオ・インターフェイスは多いですが、ほとんどがLightning – USBカメラ・アダプタを介する必要があったりします。iXRはUSB A端子を持っているのでそのままiOSデバイスに接続可能です。つまり、いつもiOSデバイスの充電に使っているUSB-Lightningケーブルだけあれば、オーディオ/MIDIインターフェイスとして使うことができます。

2016_ixr_6電源はどうするかというと、USB -B端子から給電します。パソコンもしくはACをUSBに変換するアダプター、モバイル・バッテリー(5V/700mA以上)が使用可能で、ファンタム電源ももちろん供給OKです。
私自身、実はiOSアプリで何かするということには懐疑的で、音楽アプリの類はまったく詳しくありません。このBlogにiOSネタがないのはそれが理由なのですが(笑)、改めて試してみよう! ということで色々実験してみました。

設定等は一切不要で、そのままLightningで接続すれば自動的に認識/設定されるので手間はありません。が、やはり気になったのがレイテンシー。ギターを接続してみたところちょっと厳しいなぁと。最近はiOSのアプリで〜 という話をよく耳にしていましたが、実際にはどれだけのパフォーマンスが出るのか。どれだけ遅れるのかを具体的に見たことがなかったので、簡単な実験をしてみました。

2016_ixr_8

2016_ixr_7今回は上の図のようにDAWから出した信号をD.I,でパラり、1系統目はD.I,のMain Outからプリアンプ経由でオーディオ・インターフェイスへ。2系統目はThruから出力したものをiXZのインプットにルーティング。出力を別のオーディオ・インターフェイスに入力して、それぞれをDAWに録音するとうテストをしてみました。こうすることで、DIの音に対してそれぞれのインターフェイスでどれだけ遅延が出るのかを確認することができます。文字で書くと難しく見えますが、やってることは凄く簡単です(笑)。

せっかくなので、同じくTASCAMのヘッドホン・ジャックに接続するタイプのiXRとも比較してみました。
アプリはPositive GridのBIAS AMPを使用しました。BIAS AMPはレイテンシーをNormalとLowの2段階で切り替えできるので、それぞれの設定で波形を録っています。

実験結果

まずNormal設定時の波形がコレ。1番上がDIの音。2番目がiXR、3番目がiXZです。D.I.とiXRとiXZの波形が違って見えるのは、後2つにはアンプ・シミュレーターが掛かっているからです。2016_ixr_10
具体的にどれだけ遅れているかというと、iXRが0.029秒(29msec)、iXZが0.030秒(30msec)という結果。結構なレイテンシーが出ています。。

次にレイテンシーをLowにすると、iXRが0.017秒(17msec)、iXZが0.019秒(19msec)に縮まります。Normalより大分良くなりましたが、これでも誰が弾いても分かる程度の遅れです。

2016_ixr_11これをどう見るかは人それぞれだと思います。もちろんざっくりとした実験ですし、アプリによっても違うでしょうから断言はできませんが(GarageBandはLow設定のBIAS Ampより少し遅い程度でした)、個人的にはタッチ・パネルで音を出すならまったく問題なし。MIDIキーボードをつないで音源を弾くのはギリOK。でもギターは正直辛いかな…と。ここまで遅れてしまうと、リアルタイムに楽器を演奏するのは支障があると思います。

iOSには詳しくありませんし色々試した訳でもないので正確なところは分かりませんが、メーカーのドライバーではなくiOSの標準ドライバで動いているので、このパフォーマンスは他社製品でもそう大きくは変わらないと思います。もしかしたら、もっとパフォーマンスを上げる方法もあるかもしれませんので、今後調べて見ようと思っています。
またiXRとiXZだと、圧倒的にiXRの方が音が良かったです(当たり前ですが…)。

まとめ

後半はiOSデバイスのチェックのようになってしまいましたが、この価格でこの音ならば、これから始める方〜入門モデルからの買い換えに十分アリだと思います。パソコン環境で使うだけならば、標準ヘッドホン端子で価格も安いUS-2×2が良いと思いますが、iOSでも遊んでみたいな〜というのであればiXRの方が良いと思います。
US-2×2もiOSで使えますが、別途Lightning USBアダプターとACアダプターを用意することを考えるとiXRの方が安上がりですから…。

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