Soniccoutureのフリーピアノ音源「Hammersmith Free」をレビュー(動画あり)
今回はSoniccoutureからリリースされている無償(フリー)のピアノ音源「Hammersmith Free」を紹介します!
ピアノ音源は色々なメーカーからリリースされていますが、音も演奏感も良く、しかも無料!という3拍子揃ったおすすめの音源です。
Hammersmith Proのエッセンスを凝縮した無料版としてリリースされている製品ですが、その質は他のメーカーがリリースする有料ピアノ音源に決して負けていません。
コントロールがしやすく扱いやすいサウンド
Hammersmith Freeは、西ロンドンのHammersmithという地にあるBritish Grove StudioでSteinway Model D を収録したピアノ音源です。
Proバージョンは6ポジションのステレオ・マイクでマルチマイク収録されたサウンドを、自由にミックスして質感や距離感を調整できるのですが、FreeバージョンではSCHOEPS MK4で収録された Midポジションのみが使用可能。
このMidポジションがかなり使い勝手が良く、Free版でも不満を感じることはないと思います。というよりも悩まずにバランスの良い音が作れるので却って良いかも…。
NKIを読み込んだ状態ではリバーブがインサートされた状態ですので、残響が気になる場合はOFFにしてしまえばほぼドライのチャンネルとして使えると思います。
サウンド自体も絶妙!同じSteinwayでも音源によって大分キャラクターが違ったりしますが、Hammersmith Freeは品の良いナチュラル系。弾き方によっても自然に質感をコントロールできますし、ポップス的な用途でもピアノソロ的にも使えます。
スペック的に見てみると、ピアノ1音色に2,000以上のサンプルが使われており、ベロシティレイヤーは21段階。ライブラリ容量は4.8 GBとフリー音源とは思えない充実ぶりです!!
KONTAKT Freeでも使用可能
Hammersmith自体は、KONTAKTエンジン上で動作するライブラリ。
フリーのライブラリはKONTAKTのフル(製品)版が必要なことも多いですが、NKSに対応しているのでKONTAKT PLAYER(バージョン6以降)でも動作します!
KONTAKTの基本操作やNKSって何?? なんて方はこちらの動画もご覧ください。
ノイズの要素を調整できる
GUI自体も非常にシンプルですので、使い方で悩むということはないと思います。
Free版は、音色を調整するパラメーターはほとんどが省略されているのでいじる部分はほぼないのですが、オプション画面のMechanicsのセクションが面白いです。
ここには下記の5つのパラメーターが用意されています。
- NOISE:部屋のノイズレベル
- KEY OFF:鍵盤を離すときの音量
- DAMPERS:ダンパーが元の位置に戻る際のノイズ
- PEDAL:ペダルのメカニカル・ノイズ
- Soft:ソフトペダルのダンピング量
ペダル中でもNOISEを上げていくと「サーッ」というノイズが加わっていきます。
レコーディングのセオリー的にはノイズ成分は少ない方が良いのは間違いないと思いますが、現実にはマイク録りでは何かしらのノイズが入ってしまいます。あまりにSNが悪くなりすぎるのも問題ですが、ほんの少しノイズを足すことでリアリティーというか、擬似的にではありますが”マイクで録りました感”を演出できる面白い機能だと思います!
FreeバージョンとProバージョンの違い
先述の通り、HammersmithにはFreeバージョンとProバージョン($199)が用意されています。
Proバージョンではマイク・ポジションが使用可能になる他、各マイクチャンネルに対してAttackやDecayの調整が行えたり、ランダム・アルペジエーターやシーケンス・ジェネレーターなどクリエィティブ系の機能も搭載されています。
Free版を試してHammersmithのサウンドが気に入ったら、Proバージョンも検討してみてください!