XLN AUDIO / Addictive Drums 2 レビュー(サンプルあり)

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講師の鈴木です。

最近暑くなって来ましたね。パソコンやら機材触っていると、どうしても室温が上がっていってしまうので、エアコン稼働もそろそろかも知れません…。

今回は、XLN AUDIOのAddictive Drums 2をピックアップしてみました。音源やエフェクトの印象は、使う人や好み、音楽ジャンルによっても全然変わってきてしまいます。堀田先生も導入されたということですので、1回目は私、2回目は堀田先生のインプレッションを分けて紹介してみようと思います。また、前回からできるだけサウンド・サンプルを上げていこう! という方針になっています。言葉だけじゃ伝わりませんからね…。。

 

目次

インターフェイスの改良

まずユーザー・インターフェイスは、ちょうど同社のAddictive Keysと同じように「Gallery」ページと「Exploler」ページが追加になっています。このページではビジュアル的にプリセットを選ぶことができるのですが、音色と、その音色にマッチしたリズム・パターンを瞬時にプレビューできるのは便利。画面内でキックやスネアといった、主要パーツの音量調整もできるので、この画面だけでザックリとした音作りが行えて便利。

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キットの差し替えなどを行う「KIT」ページは、従来から大きく変わっていませんが、シンバルの同時使用可能数が増えたこと、FLEXIという自分の好きなキットを割り当て可能なスロットが増えたのは魅力。キットの差し替えも従来通り簡単に行えます。

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AD2_4Addictive Drumsといえば、クリスマスにフェーダー・キャップに仕掛けがあることでも知られていますが、2はどうなるのか…。クリスマスが楽しみですね。。
そして地味なところですが、パラ・アウト時に「マスター・バスに送る」、「パラ・アウトとして出力する」、「マスター・バスとパラ・アウトを同時に送る」の3種類から選べるようになっています。例えばマスター・バスに送りつつ、各キットをDAW上にパラ・アウトして個別のプラグイン・エフェクトで処理し、原音に加える…なんて使い方も簡単に試せるようになります。

AD2_10また、タムスロットの「SET」ボタンを押せば、4つのタムに割り当てるキットを同時に切り替えることができたり、キックとスネアは「リンク」も可能に。
リンクは、複数のキックの音をレイヤーしたり、スネアの音に違うスネアのリムの音を加える…なんてトリガー的な使い方が可能です。設定は、スロット内の「∞」ボタンを、リンクさせたいスロット上にドラッグ&ドロップするだけ!
前述の通り、「FLEXI」のスロットには自分の好きなキットを割り当てることができますから、音作りの自由度はかなり向上しています。

 

サウンド・エディットの進化

各キットごとのエディットを行う「EDIT」ページも従来の雰囲気を踏襲しています。が、よく見るとEQが4バンドになっていたり、トランジェントの調整が行える「SHAPE」や「NOISE」などいくつかのパラメーターが追加されています。
特にトランジェント・シェイプは、音作りにかなり効果的! コンプのように使うこともできますし、長すぎるリリースを減衰させるミュート代わりに使ったりと、かなり重宝すると思います。

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また、リバーブを設定可能だった「FX」ページはディレイが追加され「DELERB」となっています。

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リズム・パターンの使い勝手

Addictive Drumsに限らず、最近のドラム音源の多くは膨大な数のリズム・パターンが付いています。すると問題になるのがブラウズ。イメージに近いリズム・パターンをいかに効率的に見つけられるかがポイントになると思いますが、Addictive Drums 2の新機能はよく考えられていました。

ジャンルやキーワードでの検索に加え、「Grid Serch」が追加。これはキック、スネア、ハイハットの鳴るタイミングからパターンを絞り混むという新しい感覚のブラウズ機能。ステップ・シーケンサー風のインターフェイス上のハイハット項目を16分音符で入力すれば、全グルーヴの中からハットが16分音符で刻んでいるものだけを抽出してくれるという仕組みです。

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AD2_8収録されているMIDIグルーヴはDAWソフト上にドラッグ&ドロップすることでMIDIデータとしてエディット可能ですが、新たにAddictive Drums内での簡単なエディットにも対応!
「TRANSFORM」では、8/16ビートのアクセントの調整、タイミングやベロシティーをランダマイズさせる、さらには特定のキットだけ音量を調整したり、奏法の差し替えが可能です。例えばスネアのノーマル・ヒットをリム・ショットに変えて、少し小さめの音量で演奏させる…なんて設定が簡単に行えるので、パターンの印象を変えたいときに便利です。
こういった編集はDAWソフト上で行っても良いのですが、簡単にエディットできるので収録パターンをそのまま使うのではなく、ちょっと一手間掛けるだけで全然印象が変わって聞こえますよ!

 

便利なマップ・エディタ

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使ったことのある方はご存じだと思いますが、Addictive Drumsは独自のキー・マップを採用しています。他のドラム音源で作ったパターンを使ったり、MIDIキーボードなどでリアルタイム入力するときにはやはりGM配列が使いやすいもの。
前バージョンでもマップ・エディタからキー・マップを設定することもできましたが(GM配列はもちろん各社主要電子ドラム用のプリセットが用意されています)、「Set This as my default」というボタンが追加。つまり、現在の設定をデフォルトとして保存し、次回起動時に自動的にその設定を読み込むという使い方ができるようになっています。かなり地味ですが、個人的には1番嬉しい新機能だったりします(笑)。

サウンド・インプレッション

そして肝心のサウンドですが、基本的にこれまでのAddictive Drumsのサウンドとはまったく違う質感に感じました。誤解を恐れずに言えば、今までのAddictive Drumsのサウンドは、何をやってもAddictiveというか…。良くも悪くも非常に特徴のある音で、「あ、これAddictiveだな」というのが分かるようなものでした。

それに対し、今回のライブラリはAddictiveならではのハデさを受け継ぎつつも汎用性が増した印象です。エディットしていくことでサウンドの雰囲気をしっかり変化させることができます。個人的には以前のAddictive Drumsはクセが強すぎて生ドラム音源として使うことはなかったのですが、今回はバリバリ活用できそう。気になっていたシンバル類やタムも大分自然になった気がします。

他のドラム音源と比べたときのAddictive Drumsのアドバンテージは、動作の軽さを含めた手軽さや使い勝手の良さだと思うのですが、そういった特徴もしっかり受け継がれています。ADPak1ライブラリあたり、データ・サイズはおよそ700MBですし、ほぼウェイト・タイムなく切り替え可能。CPU負荷もまったく気になりません。

ExplolerやBEATのページで、拡張のADPakやMIDIPakが見えていたり、試聴も出来てしまうので気を抜くとついついポチッとしてしまいそうなヤバイ設計(笑)。2になってちゃんと音作りを追い込んでいけるようになっているので、既存ユーザーはもちろん、他のドラム音源を使っている方にもオススメです。

簡単ではありますが、4つ程サウンド・サンプルを作ってみました。
最初の3つは、それぞれ「STUDIO PROG」、「STUDIO POP」、「STUDIO ROCK」という3つのライブラリを簡単にエディットしたもの、4つ目はエレクトロな感じのキットです。いずれも外部のエフェクトなどは使用していません。

ラインナップについて

Addictive Drumsは、すでにドラム音源の“定番”の1つになっていると思いますが、今回の“2”は3つのラインナップがあって少し複雑になっています。

どのラインナップも基本的な機能やサウンドエンジンについては代わりないようなのですが、付属するドラム・キットやMIDIグルーヴ(リズム・パターン)の数などが違います。

これまでもADPakという拡張キットやMIDIPakという追加パターン集が販売されていましたが、その中からユーザーが好きなものをチョイスできる…というフレキシブルな仕様。ドラムの音色は曲のジャンルを決めてしまうだけに、こういった構成は嬉しいですね。

具体的に、以下のような数が選べます。

・XXL Studio Bundle(6種類)
・Producer Bundle(3種類)
・Artist Bundle(2種類)

とりあえず使ってみたい! という方や他のドラム音弦を持っている方はArtist Bundleでも十分楽しめると思いますが、色々な音色が欲しい方やAddictive Drumsだけで幅広くやりたい方は最初からXXL Studio Bundleを選んでおいた方がお得だと思います。

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