TASCAM / SERIES 208i / 102i レビュー US-2×2と聴き比べ

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講師の鈴木(@dawlessonです。

今回はTASCAMの新しいオーディオ・インターフェイス「SERIES 208i」をレビューしていきます。

モバイル用のちょっとした録音用に同社のUS-2×2というバスパワー駆動可能なモデルを使っていたのですが、使い方が荒かったせいか(?)最近、少し調子が悪く。。そんなタイミングで、音質向上した上位モデルがリリースされるとのことで、早速ゲット。動画ではUS-2×2と聴き比べていますので、ぜひご自身でも聴き比べて頂きながら読んでくださいませ!


目次

TASCAMのUSBオーディオ・インターフェイスってどうなの!?

と、周りから言われることも多いのですが(笑)、確かにTASCAMのUSBオーディオ・インターフェイスは評価が両極端ですよね。これは昔のTASCAM製品を知っているかどうか… が大きく影響するような気がします。

TASCAM自体、USBオーディオ・インターフェイスの黎明期から低価格帯の製品を作ってきたメーカー(ちなみに日本企業です)。私も存在自体は知っていましたが、民生機はあまり良い噂を聞くことがなく、実際に触ったのは割と最近。US-366というモデルでした。

音を聴いてみた印象は…。 この値段でこれだけ色々な機能があれば(エフェクトやらループバックやら機能はてんこ盛りでした)、まぁいいかな、、と。ぶっちゃけてしまえば、お世辞にも音が良いとは思えませんでした。。

そんな印象が大きく変わったのは、その後に発売された「US-2×2」というモデル。こちらは同じUSシリーズという名前が付いてはいますが、中身は別モノ。値段的には1.5万円(最近は1万ちょっとで手に入るようです)と入門価格帯の製品ではありますが、サウンドに関しては値段からは想像できないようなクオリティー。ありふれた表現ですよね(笑)。

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少なくとも、同価格帯の(聴いたことのあるモデルの中)では、1番信頼できる音だなぁ、という印象で、レッスン等でもオススメしていたりします。以前に各社のモデルと聴き比べをしていましたので、興味のある方は聞いてみて下さい。今となってはモデルチェンジしている製品が多いですが…。

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話はそれましたが、US-2×2以降のモデルを聞いたことのある人は、概ね(いわゆるハイエンド・モデルを知っている人でも)好印象だったりします。

よりブラッシュアップされた、現代的なサウンド

肝心のサウンドですが、一聴して分かるだけの差があり、確実にUS-2×2より良くなったと思います。

全体的にレンジが広くなり音像も広くなった、いわゆる現代的なサウンドという印象。とはいっても、これはUS-2×2に比較したときの印象であり、実のしっかりと詰まったTASCAMらしい堅実なサウンドはしっかり受け継がれています。

US-2×2で、唯一気になっていた音像の狭さ(逆にこれが有利に働くケースもあるので、必ずしも悪いという意味ではありません)が解消され、レンジが広がったことの相乗効果で、キックの輪郭やリバーブ・エンドまで見渡しやすくなった感じでしょうか。曲作り・音作りという意味では、作業はしやすくなると思います。

ただし、その分音の重心が上がったようにも感じますので、この辺りはUS-2×2の方が好き、という方もいらっしゃるかと…。この辺りはぜひ動画で聴き比べて頂ければと思います。。

Youtubeですので、アップした際にサウンドは変わってしまっていますが、それでも差は体感して頂けるはずです。

またヘッドフォンに関してもすごく聴きやすいと思いました。ヘッドフォン・アンプのパワーも十分なので、インピーダンスの高いヘッドフォンや、爆音が求められるドラム録りなどでも問題なくこなせると思います。

デジタル入力でチャンネル拡張に対応

また、SERIES 208iが気になった理由が、デジタル入力を持っている点。この価格帯の製品で、ADAT(S/MUXにも対応)を2系統持っている製品というのは、中々にレアではないでしょうか??

アナログの4系統と併せて、合計20チャンネルの同時レコーディングが可能です。同じSERITSのラインで、8チャンネルのHAが発売されるということで、これと組み合わせることを想定しての搭載だと思いますが、もちろん一般的なデジタル機器が使用可能です(笑)。

何気にWORD CLOCK入出力のBNC端子があるのもポイントですね。

US-2×2からの変化点

違うシリーズですし、単純に比較するのも変な話ではありますが… US-2×2と比べてみると、サウンド面以外にも色々な違いが見えてきます。

使っていて1番大きく感じたのは、ハードウェアの作りが良くなったことでしょうか。特に少し大きめのMONITORつまみは、やはり便利です。このつまみは、アナログ・アウト1-2の出力ボリューム(US-2×2でいうLINE OUT)ですが、つまみには滑り止めが付いていたり、狙った位置でスッと止まってくれるので操作性は上々です。

あとは、ヘッドフォン出力も2系統へと拡張されています。

あとはDSPミキサー機能。全チャンネルに4バンドEQとコンプ、AUXでリバーブが使用可能です。なお、EQとコンプはレコーディング・パスに直接送られてしまうので(つまり、その音が録音される)、ちょっと注意が必要です。

また、8系統のアウトプットに割り当てるソースをアサイン可能です。Totalmixほどの自由度はありませんが、必要十分といった感じです。

また各アウトをスイッチングできる「Monitor Select」という機能も用意されています。各出力端子にそれぞれ違うスピーカーをつないでおけば、簡易モニター切り替えができる… というもの。端子ごとに出力レベルも設定できますが、この画面を開いていないと機能しない(画面を閉じると、ルーティング通りのソースが出力される)ので、こちらもちょっと注意が必要かもしれません。。

Windows環境では、オーディオ・ドライバも手が加えられているようで、これまでよりもレイテンシーを詰めることができるようです。ただしMac環境ではOS標準のCoreAudioドライバ動作ですので、数値や安定性はいつも通り(笑)。

SERIES 208i と SERIES 102i

なお、SERIESシリーズには20イン8アウト(4アナログ入力+8アナログ出力)のSERIES 208iと、10イン(2アナログ入力+2アナログ出力)のSERIES 102iという2モデルがラインアップされています。

それぞれ、モデル名が入出力数を表していますが、102iはデジタル入力が1系統で、そのためBNCのWORD CLOCK端子は省かれています。出力端子も2系統ですので、モニター・セレクト機能もありません。

その他の基本的な部分については共通のようですが、両モデルの価格差は約1万円ですので、「少しでもコンパクトなものが良い!」という人でなければ、208iの方が色々と拡張できて便利かな、と思います。

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惜しいポイントも

サウンド面では不満はありませんが、機能的には「もっと〜だったら良かったのに」というポイントはいくつかありました。箇条書きにすると、

・2系統のヘッドフォンの個別ボリューム/ソース切り替え

・DSPエフェクター上のエフェクト(EQ/Comp)が、モニター信号だけに掛けたい

・ACアダプター必須(US-2×2がバスパワー駆動だったので。。ただ、音質はUPしているので、仕方ないですね)

バンドルも色々!

バンドル・ソフトも充実しています。

  • Steinberg : Cubase LE/Cubasis LE
  • IK Multimedia : AmpliTube TASCAM edition
  • IK Multimedia : T-RackS TASCAM edition
  • iZotope : NeutronElements

生でバンドを録るのであれば、これだけでもとりあえず形にできるというのはイイ感じですね!


ということで、今回はTASCAM / SERIES 208iを紹介してきました。サウンドを考えるとコスパも高いと思いますし、エントリー・モデルからのレベルアップ用途にも良いのではないでしょうか??

近いうちにHAのテストもしようと思っていますので、そうしたら、また追記する…かもしれません。


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