XLN Audio / XO レビュー

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講師の鈴木(@dawlessonです。

久々にプラグインを使っていて驚かされました…。

ということで、今回は発売されたばかりの新音源、XLN AudioのXOを紹介してみます。XOには、サンプルを管理/選択するための「ライブラリ・ユーティリティー」と、直感的に使えるシーケンサーを中心とした「ビートメイク」の2つの要素を1プラグインに凝縮した… という何とも言葉で表現するのが難しい音源ですので、ぜひ動画と合わせてご覧頂ければと思います。

目次

ドラム・サンプルの管理がスマートに!

最初にXOのユーザー・インターフェイスを見て、これが音源? と疑問を感じたのは私だけではないと思います。そんなメイン画面がこちら。

「SPACE」と名付けられた本画面では、ドラムのサンプルを視覚情報にして配置することができます。何が凄いって似た音色を近い場所に配置してくれ、さらにマウスで画面内の音色をドラッグすることで感覚的に音色を選択できる点です。

これまでの一般的なサンプラーは、各スロットにサンプル(オーディオ・ファイル)をインポートしてMIDIでトリガーする。というのが基本の考え方でしたが、XOはサンプルをダイレクトに、そしてシームレスに選択することができます。これだけだったら「へぇ〜」で終わるのですが、凄いのはここから。感動ポイントを箇条書きにしてみます。

・似たサンプルを候補として提案してくれる

SPACE画面でサンプルを選ぶと、自動的に似たイメージの音色を15個リストアップ。ドラム・セットを組んでいると「この感じで他のバリエーションも聴いてみたい」というケースが頻繁に起こると思いますが、その際に手動で似た音を探す必要がありません。

・音色変更の軌跡を遡(さかのぼ)れる

さらに音色変更の”軌跡”を記録してくれて、いつでも前に選んだサンプルに戻すことができます。ドラムを組んでいるとどんどん正解が分からなくなってきます。そして必ず「あれ?前のサンプルのが良かったんじゃない?」というループに…(笑)。

XOでは、上の画像のようにサンプルの選択履歴をまるで正座のように表示してくれます。よく使うサンプルは「Favarite」に登録したり、画面右側の「shortlist」に記録しておけば、簡単に聴き比べもOK。これまでの一般的なサンプラーの場合、サンプル名を覚えておいたり別のスロットに批難させる等の手間が必要でしたが、XOならそんな手間は一切不要になります。

・フィルターで絞り込める

マウスをぐりぐりしてサンプルを選ぶのも良いですが、サンプルの数が膨大になれば、それも大変。ということで、絞り込み検索機能も搭載。これもかなり便利です。

「Kick」や「Snare」といったカテゴリーに加え、サンプルの周波数要素や長さで絞り混むことができます。

自前のサンプルも統合して管理可能

極めつけがコレ。XOにはあらかじめ8,000種類のサンプルが収録されていますが、それに加えて自前のワンショット・サンプルもインポート可能。インポートしたファイルも、付属ライブラリとまったく同じように扱うことができます。つまり、自動的に似たサンプルを見つけてくれる…。

膨大なドラム・サンプルの管理に困っている人も多いと思います。私自身は、Mutantという管理ソフトを使ってきましたし、以前にblogで紹介したADSR Samplerも便利ではあるのですが、総合力ではXOの勝利。動作もサクサクで、ストレスフリーです。

サンプルを選ぶときに「このタイトルの…」という部分を意識しなくて済むので、純粋に音色でサンプルを選べるのは良いなぁと。現段階で30,000ファイルほどインポートしてみましたが、この程度であれば特別に動作が重くなるような感じもありません。

音色エディットも柔軟に対応

サンプルは8つのスロットにインポートして鳴らしていきますが、各スロット(パート)ごとに音色エディットも可能です。エディットできるパラメーターは以下の通りです。

 

Sample:サンプルの再生/停止タイミングやフェード処理、L-Rのスワップやモノラル出力などを行えます。

Pan:音の定位を調整します。

Envelope:サウンドのボリューム・エンベロープ(Transient,Hold,Decay)をコントロールできます。

PIT:ピッチ(音程)をコントロールします。

TON:トーン(Tilt EQ)を調整します。

Filter:ハイパス/ローパス・フィルターを設定します。

VEL:Velocity Sencitivity…つまりベロシティに対する感度を調整します。左方向に設定すると、ベロシティ値に関係なく一定の音量に。右方向で引きのばされます。

Mono/Poly:モノフォニック/ポリフォニック再生させるのかを切り替えます。

Mute Groupe:ミュート・グループを設定します。グループは最大4つまで使用可能です。

Rev:サンプルを逆再生します。

Multi:DAWソフトへのマルチ(パラ)アウトを設定します。

FX1&FX2:2系統のエフェクト・バスへの送り量を調整します。

また、キット全体に対してボリュームとピッチ、マスター・エフェクトが使用可能です。

シンプルかつ実戦的なパターン・シーケンサー

エディット画面の右半分では、最大32ステップのパターン・シーケンサーが使用可能です。

ボタンをクリックすることでON/OFFが切り替わる…というお馴染みのスタイルですので、感覚的に使えます。また各ステップに対してロールを設定することも可能。そしてグローバルと各パートごとの2段階のグルーヴ・コントロールと、アクセント・コントロールでビートにノリを生み出すことができます。

そしてちょっと面白いのが「COMBINER」という機能です。BEAT COMBINERでは、パターンのプリセットを切り替えることができるので、ちょっとしたフレーズ集として使えます。SAMPLE COMBINERは似た音に差し替える…という機能です。

すべての人にオススメです。

作成したパターンは、MIDIやオーディオ・データとしてエクスポートが可能です。

大分駆け足になってしまいましたが、XO、本当に便利です。膨大なサンプルの管理に悩みを抱えている人はもちろん、マウスで適当にクリックしているだけで今っぽいビートが作れるので、バンドマンの方やこれからトラック・メイクを始めたい人まで、使う人を選ばないと思いますので、ぜひ一度試してみてください。

最後になりましたが、付属サンプルも十分音が良いです(笑)。何パターンか自分の「スタート・ポイント」をプリセット化しておけば、ほとんど手間と時間を掛けずにいくつもバリエーションを生み出せる。この利便性は他に変えられないものではないでしょうか。

もっと使い込んで行くと分かりませんが、現段階で不満という不満はありません。凄い音源が出てきました。。

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