Vienna Ensemble Pro 7の新機能
講師の鈴木(@dawlesson)です。
ネットワーク・ホスティング・ツール、Vienna Ensemble Pro 7の詳細が発表されましたね! 個人的にも普段の制作に欠かせないツールで、VEP7の発表時にはテンション上がったのですが、詳細が発表されぬままプリオーダーが始まったり…と若干グタついていましたが、ようやく全貌が見えてきたので、簡単にまとめておこうと思います。
何だかんだ、アップデートしてしまうと思いますので、その際にはライブ配信なりと合わせてblogでも紹介しようと思いますが、まずは現段階で分かっている部分をざっくりと。
※ 4/2現在、プリーオーダー中です。今オーダーすると、付属のEpic Orchestra 2.0のみ先にダウンロード出来る状態です。
※5/11追記
新機能を中心としたレビュー記事と解説動画を公開しました。
※5/2追記
発売日にライブ配信で初見で動作・新機能チェックを行いました。
オフィシャルページ → https://www.vsl.co.at/en/Software/Vienna_Ensemble_Pro
FXプラグインの追加
VEPのミキサー上で使用可能なプラグインFXが追加されています。
収録されているのは「Compressor Pro」「Equalizer Pro」「Exiter Pro」「Limiter Pro」「Analyer Pro」の5種類で、いずれもVienna Suite Proがベースになっているようです。
どのプラグインも、インターフェイスはFabfilterのような、今風の“見える“系デザインになっているので、使い勝手は良さそうです。
オートメーションのシンプル化
これまでのVEPは、パラメーターをオートメーションさせようと思うと少し面倒な手順が必要でしたが、VEP7からシンプル化されるようです。
具体的には、ラーンしてパラメーターの名前や数値がそのままDAW上に見えるようになる模様。これは地味に嬉しいですね!
ユーザー・インターフェイスの改良
VEP 6でタブ・インターフェイスに改良され、大幅に作業効率が上がりましたが、VEP7ではさらなる改善が図られているようです。
具体的には…
- インスタンス毎に、CPUパフォーマンス・メーターが追加。
- インスタンス毎に、MIDIやオーディオのアクティビティー・メーターが追加
- 垂直インスタンス・リスト:従来のタブ表示に加え、インスタンスを垂直に表示。素早く概要を確認できるように。
という感じ。
プラグイン管理機能
個人的に、これが欲しかった! という機能の1つ。プラグイン・リストをカスタマイズできるようになるようです。
これまで、AU/VSTプラグインがすべて見えてしまったので、使うものだけ(UAD等は特にカオスになりますので…)表示できるようになるのはとても嬉しいです。
また、最近使ったプラグインはリストの上部に表示できるようです。
リソース管理の改善
インスタンスの管理機能も強化/改善されています。
特定のプラグインを無効にしてリソース消費を抑えたり、チャンネルのコピペやインスタンス内にフォルダが組めるようになっています!フォルダ化は凄く便利ですね。
接続とネットワーク
サーバーやインスタンスとの接続/切断速度が向上したようです。
また、データを圧縮することでKontaktのような“重い“プラグインを使用した場合の保存速度が上がっているとのことです。
チャンネル・ビューの改善
チャンネルビュー上に表示される項目が増え、視認性が増しています。付属エフェクトの状態(EQカーブなど)はミキサー上に表示可能。
特に、ViennaのSynchron Player、Player, Pro Playerを使用する際には、アーティキュレーションを表示するアーティキュレーション・ディスプレイや、行方不明になったパッチを赤く表示させることができます。
AU3に対応(β)
これも朗報! まだベータ版ということですが、ついにAU3に対応するようです。AU3では、インスタンスあたり48のMIDIポート(16×48=768ch)を扱えるようになります。
ざっくりとまとめてみましたが、全体的には好印象。あとは、しっかりと動いてくれれば言うことなしですね(笑)。
ちなみに、今回から1ライセンス単位の販売になるので(VEP6まで、1パッケージで3ライセンス)、ネットワーク経由で使う場合には複数ライセンス購入する必要があるので、ちょっと注意が必要かもしれません(本国フォーラムでは大分叩かれていましたが…)。