ADAM / S1X レビュー
講師の鈴木(@dawlesson)です。
レッスンではハードウェア面の機材に関してご質問を頂くことも多いのですが、中でもよく聴かれるのがスピーカー周り。以前、
なんて投稿をしたことがありましたが、やっぱりスピーカーは大切だと思うのです。
ということで、現在メインで使っているADAM AudioのS1Xというスピーカーを紹介してみようと思います。最近だと、かなり値引きされていますので(笑)。
とりあえずスペックを…
スピーカーを見る上で、あまり意味は成さないと思いますが、一応スペックから…。
ウーファー: | 1 |
バスケット直径: | 155mm / 6inch |
ボイスコイル直径: | 37mm / 1.5inch |
コーン材質: | HexaCone |
X-ARTツイーター: | 1 |
ダイアフラム面積: | 2420mm2 / 4inch2 |
同等ダイアフラム直径: | 56mm / 2inch |
速度変換比率: | 4:1 |
ダイアフラム重量: | 0.17g |
内蔵アンプ数: | 2 |
ウーファー出力(RMS/Music): | 200W/280W |
ツイーター出力(RMS/Music): | 50W/100W |
コントロール | |
入力感度: | ±10dB |
高域シェルビングEQ>6kHz: | ±6dB |
低域シェルビングEQ<150Hz: | ±6dB |
ツイーターゲイン: | ±4dB |
一般データ | |
周波数特性: | 40Hz~50kHz |
THD(全高調波歪)> 80Hz: | ≦1.5% |
短時間サイン波出力(1m/100Hz~3kHz): | ≧103dB |
最大ミュージック出力(ペア): | ≧113dB |
クロスオーバー周波数: | 2200Hz |
入力コネクタ: | XLR |
入力インピーダンス: | 10kΩ |
重量: | 6kg/13.2lb. |
防磁: | オプション |
寸法(HxWxD): | 295x175x260mm |
SXシリーズの最小モデルで、ウーファーは6インチです。とはいえ、一般的な6インチのスピーカーに比べると小ぶりなので、パッと見では5インチと見分けるのは難しいかも…。
あと、注目ポイントとしては出力でしょうか。。能率はスピーカーによって違うので、一概に出力=音量という訳ではありませんが、この6インチ・クラスのアンプとしては、かなりハイパワー。この部分よりも、入力感度が±10dBという部分が自宅ユースではちょっと使いにくいポイントなのかなぁ、と。
同じADAMでもA7Xあたりだと、ボリュームを-∞から設定できるので、この差はでかいと思います。
スピード、奥行き、キレ
S1Xの印象はこんな感じでしょうか。S1Xの前は同じADAMのA7Xを使っていたのですが、基本的に別モノです。
A7Xも凄く良いスピーカーで気に入っていたのですが、特に奥行きの表現力は圧倒的にS1Xに軍配が上がります。キックや空関系の処理はかなり楽です。
このクラスになると、良し悪しというよりも、モデルごとのキャラクターの好みだけになりますが、Focal、Genelecあたりと聴き比べたときに、ジャンルを問わない感じが一番好みでした。
こんなことを書くと怒られてしまうかも…ですが、スピーカーを選ぶ際によく言われる「フラット云々」はあまり気にしなくても良いと思っています。フラットであることが必ずしも良いということもないと思いますし、そもそも何をもってフラット?? なんて。。
作業しやすいかどうか、その音が好きかどうか。これだけだと思うのです。
試聴の際に気を付けて欲しいこと
よく「Sシリーズは音を綺麗に聞かせている〜」なんて言われることもあるようですが、これはあまり感じません。バランスの悪いミックスや、少し前のレベルをガチガチに詰め込んでクリップしている音源は、パッと聴いてすぐ分かりますので(笑)。
おそらくリボン・ツイーター特有のサウンド特性が、こう言われる原因ではないかと思います。
リボン・ツイーターは一般的なドーム・ツイーターに比べて、キラキラしたサウンド・キャラクターなので、そのまま使うと、確かにハイファイ気味。クロスオーバーが2.2kHzなので、ボーカル等の楽曲の主役になるパートがガツンと前に出ることによって、アラが目立ちにくくなるような感じでしょうか。
ですので、背面のコントロールでツイーターのボリュームを落としてやると、一気に使いやすくなります。
少し話は変わりますが、コントロールを弄ることでバランスが変わることを懸念する人も多いようなのですが、個人的にはガンガンいじっちゃって良いと思います。そもそも環境に合わせてフィックスするために付いていますので。。
あと、海外製のスピーカーは120Vでつないで上げると劇的に音が良くなることが多いです。。
小音量でもバッチリ
先述の通り、基本の音はデカイのですが、小音量で鳴らしてもほとんどサウンドの印象がくずれないのもメリットだと思います。
スピーカー選びで、大口径を小さくならすのと、小口径をしっかり鳴らすのと… なんて比較されがちだと思うのですが、個人的にはモニターしやすさで選ぶなら、圧倒的に前者だと思います。
定位は小口径でも分かりますが、中域の解像度はどうしても厳しいな…と感じるモデルが多いです。小音量で鳴らすと、さらに低域が…
弱点?
と言うほどではないのですが、再生音量に関係なく、ツイーターからホワイト・ノイズが発生します。これはアンプの出力故だと思いますが…。
とはいえ、これは超小音量でも音を出してしまえばまったく気になりません。
それよりも、周囲の環境によって聞こえ方が露骨に変わるので、ディスプレイや機材配置には気を使う必要が出てきます。
また口径的にどうしようもない部分ですが、もう少し低域が欲しいな…と感じる場合もあります。特に外のスタジオでS2Xを聞いて帰ってきた後などは(笑)。。
音自体はまとまっているので、不足を感じることはないのですが…。サブウーファーを考えたこともあるのですが、2.1chは色々と難しいようなので、現状維持ですかね。。
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