Logic Pro X 10.3の新機能(抜粋)

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講師の鈴木です。

本日、Logic Pro Xの最新アップデート、10.3.0がリリースされています。今回もかなり大掛かりなアップデートになっていたので、新機能や変更点について、簡単にまとめてみたいと思います。
現段階ではヘヴィーな使い方をしたり使い込んでいる訳ではないので、細部や安定性に関してはまだまだ様子見の部分があることをご了承ください。

目次

Logic Pro X 10.3リリース・ノート

まずは、アップル発表のリリース・ノートから見てみましょう。

●MacBook ProでTouch Barをサポート
・タイムライン概要でプロジェクト全体を一目で確認、移動可能
・選択したトラックのSmart Controlの調整で音源やエフェクトのサウンドを微調整
・ピアノの鍵盤またはスケールモード付き音楽キーボードを使用してソフトウェア音源を再生/録音
・ベロシティとノートリピートを制御中にドラムパッドをトリガしてビードを作成
・カスタマイズ可能なキーコマンドのセットを使用して、よく使うショートカットにアクセス

●インターフェイスをアップデート
・インターフェイスが明るくなり、様々な照明状態で文字の読みやすさが向上
・新たに24色が追加されたカラーパレットでリージョン、トラック、およびノートにラベル付け
・すべてが表示された状態のままにできる横方向の自動的な拡大
・新しいリージョン編集ではトリミング中のオーディオファイル全体に波形を表示

●オーディオ制作
・“代替トラック”を使用して、トラックのリージョンおよび編集の異なるプレイリスト間での作成と切り替えが可能
・“選択ベース処理”を使用して、エフェクトプラグインの任意の組み合わせを選択したオーディオにレンダリング
・本格的なステレオパンにより、ステレオ信号のより正確なコントロールと個別の操作が可能
・複数のリージョンに同時にフェードを適用
・64ビットの集約エンジン
・192の追加バスを使用

●追加機能
・“GarageBandに送信”オプションにより、iPhoneまたはiPadからiCloud経由でLogicプロジェクトへの新規トラックの追加が可能
・MIDIプラグインを使用してプラグインパラメータを独創的にコントロール
・ソフトウェア音源をサイドチェーンソースとして直接割り当て
・MusicXMLファイルのインポート

なんて具合。これだけでも十分ですが、日本語化されているのは、ほんの一部。本国サイトのリリース・ノートには、膨大な変更点が記載されていますので、興味がある方はチェックしてみてください(当然、英語です)。
https://support.apple.com/en-us/HT203718

やはり目玉はTouch Barのサポートでしょうか。。TouchBar対応Macは持っていないのでアレですが、Touch Barには懐疑的なので、この辺はスルーします。中から、個人的に気になった部分をいくつかピックアップして紹介します。

インターフェイスの改良

170119_2170119_3やはり最初に目をひくのは、ユーザー・インターフェイスに手が加えられたことでしょうか。
ボタン類が全体的に今っぽいデザイン/色味に変更されています。デザインには好みもあると思いますが、個人的には”変わった感”で、少しだけ新鮮な気持ちになれたのでアリです(笑)。

また、【環境設定 > 表示】のトラック・タブから、メイン画面の背景色やグリッド線のカラー調整もできるようになっています。背景色は暗い/明るいの2段階。もしくは「カスタム」を選べばスライダーで微調整ができます。170119_4

また、メニューのフォントも変わっています。恐らくRetinaに対応した関係だと思いますが、外部ディスプレイなどの非Retina環境だと、ちょっと荒く見えるのが少し残念。まぁ、読めないレベルではないですし、その内慣れると思います。
ズーム関連では、プロジェクト上のトラックや長さに合わせて、1画面にすべて入るように自動的にズーム率を調整してくれるボタンが追加。これまでもキー・コマンドで似たことはできましたが、縦方向、横方向を個別に設定できるようになっています。

 

トラックの編集性能

編集機能も強化されています。個人的に一番気になったのが「トラックの代替」機能。以前からプロジェクトに対し、「代替」機能を使うことで1プロジェクト内に複数のバリエーションを持てましたが、それのトラック版です。

使い方は、トラックヘッダの設定で「代替トラック」をONにするだけ。トラック名がクリックできるようになり、テイクの切り替えや追加/削除などが行えます。この辺りの操作感は、Pro Toolsのプレイリストみたいですね。テイク内の「↑」ボタンを押すと、そのテイクが再生される仕組みです。

で、これが便利なのが、インストゥルメントのトラックに対しても行えるということ。同じ音源で、違うフレーズを試したい場合に活用できるので、重宝すると思います。

次にフェード。複数のリージョンを選択した状態でフェードを書くことで、複数クリップに同時に同じフェード処理が行えるようになりました! 画像では分かりにくいですが、すべてのリージョンにリアルタイムにカーブが描画されるのではなく、カーブを描き終わったタイミングで反映される仕様です。

このように同じカーブを適用したい場合、これまではインスペクタから数値入力していたので、地味に凄く便利です。また、デフォルトのフェードや最後に設定したフェード・カーブを、ショートカット1発で適用できるキー・コマンドも追加されていますので、フェード処理の作業効率はかなり向上すると思います。

また、トリミング中にリージョン全体が見えるように。細かい波形編集をするときに便利そうです。

オーディオ周りの変更点

個人的に、一番大きな変更だと思ったのがココ。Logicで昔から言われていた、ステレオ・トラックの扱い。詳しく紹介すると長くなってしまうので、ここでは要点を絞りますが、これまでのLogicのパンは、左右の音量バランスでした。なので、最近のピアノ音源のように音域によってパンが左右に配置されているような音源や、バスの場合、意図しない音になってしまうことがありました。そういった理由もあって、トラックダウンにはLogic以外のDAWを使ってきたのですが…。

それが、遂に本当の意味でのステレオ・パンニングが可能に! トラックの出力部分を長押しすると、従来の「バランス」に加えて「ステレオパン」という項目が選択できるようになりました。 長年、Logicを使っている方にとって、かなり大きなニュースではないかと。

バスも256まで拡張されていたりするのですが、ちょっと気になったのが環境設定の「オーディオ」項目にある「集約」という新しい項目。標準精度(32ビット)と高精度(64ビット)が選べるのですが、「集約」って何? と。とりあえず英語表示に戻してみると「Summing」だったので、オーディオを64ビットで処理するという意味でした(笑)。

そして、ルーティングの分かりやすさも向上。バスやアウトプット項目では、リスト内で送り先のバス名が表示されるようになっています。そして大きいのが、インストゥルメント・トラックを直接サイドチェイン・ソースに割り当てられるようになった点でしょうか。地味に面倒だった部分ですので、これもかなり嬉しいポイントです。

170119_11

まとめとお知らせ

最近のLogicのアップデートは、項目がかなり多いのでまだまだチェックしきれていない項目も沢山ありますが、個人的にはかなり大きなアップデートに感じました。それこそ、他のソフトであれば有償アップデートに匹敵するであろう内容かと。
また、少し前のバージョンから追加されたAlchemyを改めて触ってみたのですが、かなり感触が良かったので、詳しく触ってみようと思います。

最後にお知らせです。近日中に、Logic Pro Xの一通りの基本操作をまとめた動画を公開する予定です。と、いってもまだ何も準備していませんが…。。せっかくなので10.3で撮影しようと思っています。来週中には公開したいと思っていますので、ぜひご覧頂ければと…。

ということで、急遽、Logic Pro X 10.3の新機能の概要をご紹介しました。

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