TASCAM / Portacapture X8 をレビュー!

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講師の鈴木(@dawlessonです。

今回はTASCAMのリニアPCMレコーダー「Portacapture X8」をインプレッションしていきたいと思います。

曲作りの主軸はDAWベースという方がほとんどだと思いますが、パソコンを起動しなくても、電源ONですぐに録音をスタートできるハードウェアのレコーダーを持っておくと何かと便利だったりします。

Portacapture X8はTASCAMのフラッグシップ・モデルだけあって、リニアPCMレコーダーとしてはちょっと高価ですが、実際に使ってみるとそれも納得の完成度でした。

製品の概要:https://tascam.com/jp/product/portacapture_x8/top

目次

32bit float 録音に対応

Portacapture X8の最大の特徴は、何といっても32bit floatの録音に対応している点だと思います。

最近はDAWソフト上でもパラ書き出しやマスターデータを32bit floatで書き出しているという方も多いと思いますが、レコーディング自体は未だ24bitが一般的です。

32bit floatを使う一番のメリットは、録音時の入力ゲインにそこまでシビアに考える必要がないということだと思います。一番わかりやすい例としてクリップの回避。録音時にゲインが大きすぎてクリップ(音割れ)してしまった、なんてときにも、32bit float録音では、録音後にゲインを落とせばクリップしていない綺麗な波形を取り出すことができます。※絶対に音割れが起こらないということはありません!

また逆に、レベルが小さすぎた場合も有効です。後からゲインを上げる場合、どうしても音自体の解像度が落ちて処理に困ると思いますが、32bit floatの場合は元の解像度を保つことができます。特に録音に失敗できないようなシーンでは、万が一のクリップを考慮して小さめのゲインで録音するというケースも多いと思いますが、その場合でも後から適切な処理をすればOK。もちろんゲインを上げた分だけノイズ成分も大きくなりますが、ノイズリダクションを行ったとしても仕上がりは圧倒的にこちらが上!

そんな32bit float録音と、ゲインの違う2つのADコンバーターを組み合わせて広いダイナミックレンジを確保する「デュアルADコンバーター」を組み合わせることで、レベル設定による録音ミスの大半をカバーしてくれます。

32bit floatではレベル設定が不要…というのは言い過ぎだと思いますし、後からの編集の手間も考えると録音前にはしっかり適切なレベル調整を行うべきなのはこれからも変わらないと思います。ただ、レベル調整の手間や録音中の“万が一”に対応できるのは、やはり計り知れないメリットです。

なお、先日のファームウェアアップデートで、USBオーディオ・インターフェースとしても32bit float録音が行えるようになりました。

タッチパネル操作と、独自のアプリ・ランチャー・システム

Portacapture X8を触っていて、面白いなと思ったのが「アプリランチャー」という考え方。多くのレコーダーは、電源を入れたらインプットやゲイン、必要に応じてリミッターやローカットを入れたり…と設定を行なっていきますが、こういった設定を主な用途ごとに適切なセッティングをプリセットして、使いたい用途を選ぶだけで録音をスタートできる機能です。

それぞれのアプリは、専用のユーザー・インターフェイスが用意されており、余計(必要ない)パラメーターは見えなくなるという仕組み。最大6チャンネルのマルチトラック録音に対応した「MANUAL」、インタビューや会議の収録用途の「VOICE」、最大4人までのポッドキャスト収録に最適な「PODCAST」、楽器収録に特化した「MUSIC」、フィールドレコーディング用の「FIELD」、ASMR用の「ASMR」とかなり充実しています。

なお、操作のほとんどは本体のタッチパネルから直接行えるのも特徴。パラメーターの多くはアイコン化されていて、ものすごい次世代感を味わえます!

最大8トラックの録音が可能

本体には、2系統の内蔵マイクと4系統のXLR/TRSコンボジャックを搭載。それぞれの入力と、それらを内蔵ミキサーでミックスした2MIXの合計8トラックの同時録音が可能。オーディオ・インターフェースとしても8イン/2アウトとして使用可能です。

内蔵マイクは取り付け方法を反転させることでAB方式とXY方式の2つのステレオ・レコーディング方法を切り替えることができます。今回はボーカルとアコギの録音を行ってみましたが、TASCAMらしい程よく芯がありつつも自然な広がりのサウンドは健在です。


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