【レビュー】Steaven Slate Drums / Chris Lord-Alge EXPANSION
講師の鈴木(@dawlesson)です。
楽曲として聴いたときの各パートの重要度と、曲の”クオリティー”に左右しやすいパートというのは少し違うと思っていたりするのですが、今回は後者。曲のクオリティーに大きな影響を与えるドラム音源のお話です。
BFD、Addictive、Superior…などが代表モデルで、blogや動画でも幾度となく紹介してきましたが、今回紹介するのはSteaven Slate Drumsの拡張音源「Chris Lord-Alge EXPANSION」です。
Chris Lord-Alge
本blogを見て頂いている方には、最早説明不要だと思いますが、数多のロック界の重鎮を手がけてきたトップ・エンジニアの1人。
手がけるアーティストを見ると、エアロ・スミス、ミューズ、グリーン・デイ、U2、ニッケルバック、クリード、ナイン・インチ・ネイルズ、フー・ファイターズ…など蒼々たるメンツ。彼の名前は知らなくても、そのサウンドは誰もが聞いたことがある。そんな人物だと思います。
楽器や機材業界とのコラボレーションも多く、Wavesからは氏のサウンド・メイクのワークフローをプラグイン化したChris Lord-Alge Signature Series Signatureシリーズや、SSLコンソールを再現するCLA MixHubが。また変わったところではAVANTONE / CLA-10のようにスピーカーを監修したりと、色々な分野で目にすることが多い人物でもあります。
SSD 5 拡張音源
Chris Lord-Alge EXPANSIONは、SSD5(Steaven Slate Drums 5)や同社のドラム・リプレイス・ツールであるTrigerで使用することができる拡張パック。そのため、SSD5やTrigerがないと使うことができない製品です。
サンプルは2012年にバーバンクのオーシャン・スタジオで収録されたものですので、決して最新のライブラリーという訳ではありませんが、サウンドはバリバリ現役で使えます。というか、他のドラム音源でこの質感のサウンドを作るのはかなり難しいです。
パンチと太さを併せ持ったサウンド
音源ですので、肝心なのは出音。その辺りは動画で収録されている全13プリセットを紹介していますので、ご自身の耳でチェックして頂きたいと思いますが…。
当たり前ですがChris Lord-Algeらしいというか、ザ・モダン・ロックというサウンド。独特のパンチの効いた勢いのあるサウンドは、SSDの標準ライブラリーとも全然違った傾向です。なお、SSD5と同じくキット収録の時点でかなり作り込まれており、プリセットを読み込むだけで何も弄らなくても良い音を鳴らしてくれます。
動画でも紹介していますが、全体に軽くコンプかけるだけで音作りが完成するケースも多く、本当に楽ちんな音源です(笑)。
他の音源にアドオンもオススメ
プリセットを読み込むだけで十分…というかベストのサウンドになってくれるライブラリですが、SSDの特長としてキット・プリセットでは複数のピースがレイヤーされて音色が出来上がっているものがほとんど。つまり、ドラムキットをクリアし、キット・ピースを単体で鳴らしてみると、また違った印象になります。
とはいえ、パンチの効いたCLAサウンドは健在ですので、私は他のドラム音源(特にBFD3が多いでしょうか…)の音にレイヤーして音を作ることも多いです。
SSD系は作るジャンルによってはシンバル類が大ざっぱに感じてしまう(そこが良さでもあるんですが)ことも多いため、1つの音源で納得いくサウンドが作れない場合は、複数の音源をレイヤーしてみるのもオススメだったりします。
CLAファン以外にもオススメ!
サウンド的にはロック系ではありますが、歌モノに幅広く使えると思いますのでCLAや氏の手がけるアーティストのファン以外にも自信をもってオススメできる製品です。
なお、SSDのEXPANSIONシリーズには、Cla意外にもBlackbird StudiosやDavid Bendeth、Terry Dateの拡張もラインアップされているのでぜひ併せてチェックしてみてください! 個人的にはBlackbird Studiosがずっと気になっています(笑)。
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