Safari Pedals / Dirty Dog Reverbをレビュー(動画あり)
講師の鈴木です。
今回はSafari Pedalsの新しいリバーブ・プラグイン「Dirty Dog Reverb」を紹介します。
それにしても、Safari Pedalsはほぼ毎月のように新製品をリリースする、その開発スピードは驚きですよね。
Joe Chiccarelliとのコラボレーション
新作のDirty Dog Reverbは、グラミー賞エンジニアでもある「Joe Chiccarelli(ジョー・チッカレリ)」とのコラボレーションで生まれたプラグイン。
Joe Chiccarelliといえば、ホワイト ストライプスやザ・ストロークス、日本人では松任谷由実のエンジニアとしても知られている有名エンジニア。同時にIK Multimediaの「T-RackS Joe Chiccarelli Vocal Strip」やLEAPWING AUDIO「JOE CHICCARELLI」など、プラグイン・メーカーとのコラボレーションにも積極的な人物です。
Dirty Dog Reverbは、その名の通りリバーブ&オーバードライブ・プラグインですが、ただのリバーブではないのがSafari Pedalsらしいところです。
プリ/ポストで個別のリバーブを使用可能
一番の特徴は、リバーブの前後(プリ/ポスト)に個別のドライブ回路がつけられている点。これによってサチュレーションとリバーブ+αを組み合わせる必要があったサウンドを、1プラグインで表現することができます。
2つのリバーブはサウンド自体も同じではなく、Pre Driveの方がしっかりと歪み、トーン自体も少し明るめに調整されています。ドライブ回路にはオートゲインが組み込まれているのか、ドライブ量を上げても音量が大きく変化することがないのも便利です。
そして同じくデュアル仕様のゲートを搭載。つまみがThresholdになっており、大きな音だけにエフェクト処理を与えるという使い方ができるようになっています。GATEはPRE / POSTを選択、もしくは同時に使用することができます。
リバーブ部分はリバーブ・タイム(140〜4,000ms)とプリディレイ(1〜130ms)の範囲で調整が可能です。
プラグインとしてのカテゴリーは、リバーブになると思いますが、特徴はドライブ弾にあるというのがユニークなところですね。
Joe Chiccarelliの手によるプリセット
この他にも音色コントロールに使用するハイパス / ローパス・フィルターや、強く歪ませる際のエイリアス・ノイズ対策用のオーバーサンプリングなど、シンプルながら作れる音の幅はかなり広い印象です。
また、プリセットにはボーカルからドラムまでJoe Chiccarelliの名前が付けられたパッチが満載されており、リバーブに歪みをどう与えていくのか…というトップエンジニアの実例を知ることができるのもポイントではないでしょうか。
リバーブにエフェクト処理を行うケースは多いですし、隠し味として軽く歪ませるという手法も定番だと思います。
そういう用途では非常に有効ですし、音色の一環として、例えばシンセやブラスを歪ませる際にも独特のキャラクターを乗せることができるので、音作りに活用してみるのもオススメです!