JBL PROFESSIONAL / 104-BT-Y3をレビュー!
講師の鈴木(@dawlesson)です。
個人的なブームもありモニター系の投稿が続いていますが、今回はJBL PROFESSIONALの「104-BT-Y3」というデスクトップ・モニターを紹介します!
この価格で同軸モニターが手に入る!
この104-BT-Y3の一番の特徴は、なんと言っても同軸モニターであるということだと思います。
一般的なスピーカーはツイーターとウーファーが分かれてマウントされていますが、同軸スピーカーの場合は同心円上に配置されています。このように配置する一番のメリットは、定位や位相ずれが起こりにくく、クッキリ・ハッキリとしたサウンドを聴くことができる点にあります。
音楽製作用だと、Musikelectric geithainのRL906や、KSDigitalのC5、GENELECの8331Aなどが定番だと思いますが、全体的に高価なモデルが中心です。
そんな中、昨年発売されて話題になったのがTANNOYのGOLDシリーズ。スピーカーの名門が作る同軸で、しかも価格はペアで4.4万円程度。かなり夢がある製品でした。
JBLに話を戻すと、104-BT-Y3の前に有線モデルとして先行販売されていた「104-Y3」が発表されたときから気になっていたのですが、価格がペアで2万円以下とTANNOY GOLDよりもさらに手頃! ここ最近の(自分の中で)モニター系ブームもあって、買ってみた…というのがいきさつです。
104-BT-Y3の基本スペック
サウンド・レビューの前に簡単に主要スペックを見ていきましょう。
周波数レンジ(-10dB) | 60Hz~20kHz | |
指向角度(水平×垂直) | 120°×120° | |
最大音圧レベル(Cウェイト) | 104dB SPL | |
ドライバー構成 | LF | 4.5インチ(114mm) |
HF | 0.75インチ(19mm) | |
クロスオーバー周波数 | 1,725Hz | |
パワーアンプ※ | 30W×2、Class D | |
入力※ | 端子・形式 | ステレオ標準フォーン(3P)【バランス】 ステレオRCA【アンバランス】 ステレオ・ミニフォーン【アンバランス】 |
最大入力レベル | ステレオ標準フォーン:+20.3dBu(+4dBu) ステレオRCA:+6dBV(-10dBV) ステレオ・ミニフォーン:+6dBV(-10dBV) |
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スピーカー入出力端子 | バネ式 | |
Bluetooth | 通信方式 | Bluetooth標準規格Ver.5.0 |
最長通信距離 | 見通しの良い状態で約30m | |
対応プロファイル | AVRCP、A2DP | |
対応コーデック | AAC、SBC | |
電源※ | AC100V、50/60Hz | |
消費電力(1/8出力、ピンクノイズ) | 5W | |
寸法(W×H×D) | 153×247×125mm(除突起部) | |
質量 | 2.1kg(マスタースピーカー) 1.8kg(エクステンションスピーカー) |
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付属品 | ステレオミニフォーン⇔RCAケーブル(約1.5m)、 スピーカーケーブル(約2m)、電源コード、和文取扱説明書 |
製品ページ(ヒビノ)より抜粋
見た目のコンパクトさを考えると大きめの4.5インチのウーファーと、アンプは30Wのバイアンプ仕様。この中で、特に注目したいのが120°×120°という指向角度。めちゃくちゃ広く、実際に使っていても、特に縦方向のスイートスポットの広さは驚異です。。
スピーカーはツイーターが耳の高さに揃うように…というのが基本ですが、机の上にポンと置いてもそう大きく聞こえ方が変わりません。
入力は3系統のライン(TRS/RCA/AUX)とBluetoothの合計4系統。入力ソースはフロントのINPUT SELECTボタンで切り替えることができます。ソースで「ALL」を選ぶと、全入力ソースを同時にモニターできるので、有線+Bluetoothといった具合に使えます。
サウンド・インプレッション
サウンドについてですが、全体的にまとまりがあって効きやすく、サイズと価格を考慮すると十分満足できると思います。同軸らしい定位の良さも相まってか独特の一体感は、聴いていてワクワクします。
以下はミックスを想定したモニター・スピーカーとして見たときの印象です。
レンジ感に関してはちょっと割り切りが必要だとも感じます。高域・低域が大人しめでミッド中心の鳴り方になるため、特に高域についてはヘッドホンなどと併用してチェックが必須と考えた方が良いと思います。
このあたりは、104-BT-Y3をどういう目的で見るかによって印象が大きく変わってくるように思いますが、メインの「モニター・スピーカー」としてミックスやマスタリング用途で使うには、ちょっと不足感を感じるのが本音です。
ただ、低域は変にボワ付きもなくキレが良くミッドの見晴らしが良いので、サブモニターとしては最高に使いやすいです! ボーカルの質感も手に取るように分かりますし、トランジェントやリバーブ、ディレイなど空間処理もしっかり聞き分けることができるので総合的に見て大満足です。作曲用のスピーカーにも良いかもしれません!
動画でも触れましたが、ポテンシャル的にはかなり大きな音量まで出せますが、小音量で使った方がバランスが良く感じます。
Bluetoothも便利で、スマホからパッと接続してケーブルレスで聴けるのは重宝すると思いますが、ペアリングや起動時の動作音がかなり大きいので、そこだけ注意が必要です(笑)。←ここはボリュームがきかない
まとめ
実はこのスピーカー、当初は動画編集用に使おうと思っていたのですが、音を聴いていく内にサブ・モニターとしてミックスのチェック用として使いたくなりました。それまではOlasonicのスピーカーをサブに使っていたのですが、104-BT-Y3の方が一段解像度が高く、なおかつ今風の鳴り方をしてくれる印象。
本体が丸みを帯びていて、底面だけラバー・コーティングされている仕様のため、机の上に置いて使うのが前提の設計だと思いますが、設置環境的に横置きしてみたいので、何かスタンドを探そうと思っています。
使い勝手の良いサブ・モニターを探している方、同軸スピーカーを体験してみたいという方には、かなりオススメのスピーカーです!
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