reFX / NEXUS 3 レビュー

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講師の鈴木(@dawlessonです。

ブラックフライデーはいかがでしたか?? 怒濤のセールが終わったかと思ったら次はサイバーマンデー。ホリデーセールと(色々な意味で)油断できませんね…。そんな中で発売されたreFXの人気シンセの最新版「NEXUS 3」を紹介します!

私個人としては、Nexus(初代)はかなり愛用し、その後ver.2になったときには他社から似たようなシンセが沢山登場したこともあり見送っていました。ver.3のリリースを知り、ちょっと思うこともあり発売と同時に手に入れました。そのまま発売日の朝にライブ配信を行い、後日ちゃんとした紹介動画を…と思っていましたが、機能的にもとてもシンプルなこともあり、改めて紹介することも…ということもあってblogで紹介することにしました。

NEXUS 3からの新機能を中心に、触っていて感じたことを紹介していきます。

目次

ユーザー・インターフェイスの刷新

まず大きく変わったのがGUI。従来のハードシンセ的なインターフェイスから、今風のデザインへと大きく変化しました。

ここは賛否両論あると思いますが、音色選びはしやすくなったと思います。ただのフラット・デザインではなく、ベクター・ベースで設計されているので、画面サイズが自由に変更できるのもポイント。環境の違いによるディスプレイ・サイズの格差(笑)は年々大きくなっていますので、こういったどんな環境にも対応できるウィンドウは便利ですよね。

Nexusは基本的に「音を作る」というよりも「プリセット音色を選ぶ」というコンセプトのシンセです。そのためブラウザの設計がキモだと思いますが、ブラウザは3段(これまでは2段)に拡張され、新たに「FOLDERS」という要素が追加されました。この3段とテキスト検索ウィンドウは「TABキー」で切り替え、上下カーソル・キーでパッチの選択が行えるので、マウスでポチポチしなくてもOK。プリセットを選択すると、その音がプレビューされるので使いたい音が見つかったら「returnキー」で読み込まれます。

サンプル・ベースですが、1音色辺りの容量は小さいですしHDDでも読み込みは一瞬。SSDに入れなくてもストレスを感じることはないと思います。

またパッチにはサウンド・キャラクターに応じて色付けされたラベルが付けられており、これでさらに絞り込み検索が可能です。ボタンを2回クリックして赤く点灯させると、「〜を除く」という設定もできます。

サウンドイメージで絞り混みができますが…

アルペジエーターとエフェクト

今回、もっとも進化を感じたのがアルペジエーター/シーケンサー・セクションと、エフェクト・セクションです。

アルペジエーターは最大256ステップまで拡張され、最大16レイヤーまで違うパターンが選べるようになっています。また、タイプで「Sequencer」を選ぶことで、自分の好きなフレーズをアルペジエーターとして使うことができるようになりました。

打ち込みは画面上のピアノロールで、右クリックで音を追加。ノートの左右をドラッグでデュレーションを変化させる…というお馴染みのもので、ベロシティー調整も可能です。

ここまでできると、アルペジエーターをMIDIデータとしてエクスポートしたり、SMFをアルペジエーター・パターンとして取り込めるようになると最高なのですが、残念ながら現段階ではできないと思います。アルペジエーターのプリセットは独自フォーマットで、試しに.midのファイルの拡張子を合わせてフォルダに入れてみましたが、NEXUS上には表示されませんでした…。

エフェクトは、サウンド・イメージを視覚情報として表示することができる…というもので、これは本当に分かりやすいです。例えばディレイのフィードバックを変化させると、画面内の波形が変化して…とインタラクティブに動く仕組み。エフェクト・タイプも充実していますし、音作りに困ることはないと思います。

サウンドと、他のシンセとの使い分け

冒頭でも触れましたが、昨今はNEXUS以外にも山のような数のシンセ音源が販売されており、その中でNEXUSはどんな違いや特長があるのか…という使い分けやすみ分けで悩まれてる方も多いと思います。

個人的な意見ではありますが、先述の通りプリセットを選んで鳴らすのが基本。弄れるパラメーターは必要最低限ですので、細かく音作りがしたい!というニーズには向きません。逆に、パッと選んですぐにソレっぽい感じが出したい! という方にとって最高のソリューションになってくれると思います。

有名どころだと、前者がNIのMASSIVEやXferのSerumみたいなイメージでしょうか。NEXUSに近いものでは(サウンドの方向性はまったく違いますが)ArturiaのAnalog LabやUVIのSynth Anthologyのような使い勝手に近いです。曲作りのスピードだけを考えるのであれば、これ以上ないほど便利です!

また音色的に言うと、Reveal SoundのSpireやVengenceのVPS Avengerなどと競合すると思いますが、Nexusは低域がすでに処理された後のようなスッキリとした出音な印象で、歌モノにそのまま馴染んでくれます。逆にゴリゴリのEDMをやりたい方からすると、パートによってはちょっとエグみが足りないと感じるかもしれません。

これは標準ライブラリだけのお話ですので、拡張パック EXPANSION音色だとまた印象が変わってくるとは思いますが…。

reFX Cloud

今回からライセンス管理がクラウド・アプリになり、USBドングルがなくても使えるようになりました! インストールやアクティベーションはreFX Cloud Appから数クリックで行えるので、迷うこと無く使えると思います。

購入したEXPANSIONの管理も行えますし、Nexus上でお気に入りに指定したり作成したユーザー・プリセットはCloudを介して同期される仕組みです。

まとめ

駆け足で紹介してきましたが、やはりとても使いやすいシンセです。プリセット音色も「そうそう、こういう音〜」という定番音色が網羅されているので、音数があってもそこまで迷うことがありませんし、フィルターやAMPエンベロープを弄るだけでそのまま曲に溶け込ませることができるので、打ち込みに集中できる。この軽快さは中々他のシンセ音源にはない、Nexus3の魅力だと思います。

現在は(19年12月6日)リリースされたばかり…ということもあり、アップデートが頻繁に行われています。リリース当初はアップデート後にプロジェクトに設定したパッチが初期化されたりと焦ることもありましたが(苦笑)、ひとまず致命的な問題は解決できたのかな? という状態ですので、気になっていた方はぜひ使ってみて下さい。

 

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