Pulsar Audio / W495レビュー(動画あり)
講師の鈴木です。
今回はPulsar Audioの新作EQプラグイン「Pulsar W495」を紹介します!
最近は実機のような質感と“タッチ”が得られるプラグインが増えてきましたが、その代表格の一つがPulsar Audioだと思っています。
大人気のMUをはじめ、1178やMassive、8200なども過去に紹介してきましたが、何一つハズレがなくしかもお値段もお手頃です。
Neumann W495bをプラグイン化
Pulsar W495は、NeumannのW495bという1970年代にリリースされていたアナログEQをプラグイン化した製品です。
Neumann自体はマイクや最近はスピーカーで超有名なブランドですが、過去には色々な製品をリリースしていました。W495bもその一つで、ダナーカセットという、今でいうAPI 500シリーズ・フォーマットのような組み換え可能なモジュールとして販売され、Neumannのコンソールやカッティング・マシンで使われてきたようです。
噂によると70〜90年代にかけて作られたレコードの90%が、このモジュールでマスタリングされたとも言われているのだとか…。そんな知る人ぞ知るEQの名機が、Pulsarクオリティーで再現されています。
かんたん操作でクリアなサウンド
W495は、超シンプルな3バンドEQですので扱い方は至ってシンプル。
ハイとローはシェルビングで、ミッドはベルでQは3タイプから選ぶことができますが、周波数やゲインなどすべてのノブはクリック式なので、どうしてもできることは限られます。
サウンドは非常にクリア。個人的に特に気に入ったのが低域をちょっとブーストするような用途です。下手にいじると”いかにもEQしました”感が出やすい帯域でも、自然に押し出してくれるようなサウンドが魅力です。
元々はマスタリングEQを想定した機材ですので、バスやマスター用途で使っても当然破綻しにくいですし、トラック用途にもバッチリ。ちょっと足りないと感じる部分にブーストを加えていくと、自然な押し出し感が作れます。
プラグインならではの追加機能
これまでのPulsar Audioプラグイン同様に、実機になかったプラグインならではの機能が追加されています。
まずは、各ツマミの挙動。実機はラベル通りのステップ式でしたが、現代の音作り的にはざっくりし過ぎているのも事実。そこでツマミの間もシームレスに調整できるようになっています。
また各バンドはM/SとしてEQ処理ができたり、EQ時のレベルの増減を自動的に補正して一定に保ってくれるAUTO GAIN機能、EQ効果がかかっている周波数範囲だけをソロ再生できたりと、デジタルならではの使い勝手を共存させています。
バリバリ色付けが欲しい!という場合にはMassiveだったり他のアナログ・モデリングEQの方が向いているケースは多いと思いますが、欲しいときにパッと使えるW495は、曲作り/アレンジ中やマスターの最後の一押しにピッタリだと思いますので、ぜひチェックしてみてください!