UVI / Synth Anthology 2 レビュー(本日17時よりライブ配信します)

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講師の鈴木(@dawlessonです。

突然ですが、”特に理由はないけれど、何となく縁がなかったモノ”ってありませんか? 色々なところで名前は聞くし、気にはなっていたけれど何となくタイミングが合わなかった…的な。。私にとってUVIがまさにソレでした。

シンセ系の音源に特別困っていなかったこともあって、これまで手を出してこなかったのですが(といいつつ、実はいくつかはライブラリ持ってました 笑 )、手持ちのライブラリに飽き始めていたこともあって、昨年末あたりから気にしていたところ、セールが行われるというニュースが。これは行くしかないでしょう。ということで、メールを見て1分後にはポチっていました(笑)。

ということで、前置きが長くなりましたが今回はUVIの「Synth Anthology 2」を紹介していきます。

目次

77種類の新旧シンセを収録

Synth Anthology 2をひと言で表すと、有名シンセの定番サウンドをサンプリングで再現したライブラリ。似た製品だとIK MultimediaのSyntronikあたりでしょうか。

ちなみに収録に使われているのは、新旧77種類。古くはmoogやarp、Prophetから、Minilogueのような最近のモデルまでかなりの充実っぷり。これらのシンセからサンプリングされた素材をベースにした、2,500種類以上の音色が収録されています。

Access Virus C • Akai AX80 • Alesis Andromeda • Alesis Fusion • ARP Chroma Polaris • ARP Odyssey • ARP Quadra • Casio CZ-1 • Casio VZ-1 • Clavia NordLead • Dave Smith Prophet 6 • Elka EK44 • Elka Synthex • Emu Emax • E-MU Emulator 2 • Ensoniq ESQ-M • Ensoniq Fizmo • Ensoniq SQ80 • Ensoniq VFX • Fairlight CMI IIx • Formanta Polivoks • Kawai K3 • Kawai K4R • Kawai K5000 • Korg DS8 • Korg DSS1 • Korg DW8000 • Korg Minilogue • Korg MS20 • Korg M1 • Korg PS-3200 • Korg Triton • Korg Wavestation • Mellotron M400 • M-Memory • M-Mini • M-Poly • M-Source • M-37 • NED Synclavier 2 • Novation Basstation 2 • Novation Nova • Novation Ultranova • Oberheim Matrix 6 • Oberheim OB6 • Oberheim OB-X • Oberheim Xpander • OSC OSCar • PPG Wave 2.3 • RLD D-Fifty • RLD JD800 • RLD J 60 • RLD J 106 • RLD Jup 4 • RLD Jup 8 • RLD JX8P • RLD 3o3 • RLD VP330 • RSF Kobol • SCI Prophet 5 • SCI Prophet VS • Seiko DS301 • Siel DK80 • Studio Electronics ATC • Studio Electronics Boomstar 5089 • Yamaha AN1X • Yamaha CS-80 • Yamaha CS20m • Yamaha DX7 • Yamaha DX100 • Yamaha FS1R • Yamaha SY77 • Yamaha SY22 • Vermona Tiracon 6V • Waldorf MicrowaveXT • Waldorf Pulse • Waldorf Q

UVIの製品詳細ページより引用

ちなみに、パッチを読み込むとベースとなったシンセの名前と写真が表示される仕組みで、実機を知っているシンセ好きには嬉しいでしょうし、そうではない人でも「こんなシンセなんだ〜」と勉強になると思います(ここがポイント!)。

必要十分なエディット性

Synth Anthology 2はサンプリング・ベースですし、収録されているパッチも十分作り込まれているので、読み込むだけで十分イケてる音が出てくるのですが、それに加えて十分なエディット性能も残されています。

特に音作りで多用されるフィルターやアンプ・エンベロープはトップ画面からダイレクトに変更できるので便利。その他のモジュレーション系やアルペジエイター、FXなどはタブにまとめられています。全パッチが同じインターフェイス、パラメーターなのも使いやすいです。

そのシンセを代表するサウンドが、一瞬で見つかる

…と基本の紹介が終わったところで、ここからは私が思ったことを書いていこうと思います。結論から言うと、めちゃくちゃ良いです! なんで今まで使ってこなかったのだろう…と後悔するレベルで(笑)。

その理由ですが、大きく3つあります。

シンセ音源に求めるものは、人それぞれだと思うのですが、私の場合は特別にハード・シンセが好きな訳ではありませんし、特定のシンセに深い思い入れがある訳ではありません。誤解を恐れずに言えば、曲を作るツールとして”あの雰囲気”を出すためにシンセを使うことが多いです。

シンセが好きな人には怒られてしまいそうではありますが、私は欲しい音が出るなら、それがどんなシンセでもOK(笑)。そういう意味で、本質的には”〜のシンセを完全再現!”という特化型音源より、”よく耳にするあのシンセの音を集めました”という方に魅力を感じるタイプです。なので、Arturiaも単体製品よりAnalog Labの方が使用頻度が高かったりします。

Synth Anthology 2は、まさにそんな私にピッタリで「そうそう、この音!この音!」という、そのシンセを代表するような音色が網羅されています。そこから、フィルターやエンベロープをちょっと弄るだけで、欲しい質感になってくれるので、すごく楽です。逆に、実機準拠でガッツリそのシンセを使いたい人向けの製品が、UVIの「Vintage Vault」という感じなのだと思います。

逆に言えば、あまりシンセに詳しくない人でも、音色からシンセの名前を紐付けていくようにすれば、自分の中の引き出しが増やせてイイ感じになるのかなぁと。

ちなみに、パッチのブラウザは「Classic Analog」や「PCM Synth」といった年代別、音色ジャンル別に絞り込めるようになっているのですが、「Sorted by Categories」を選ぶと、”どんなシンセで”という要素を飛ばし、BassやLeadといった音色から絞り込むことができて便利です。

エディットの部分でも、変にシンセぽくないというか、何か特別・特殊なことをしないで本当に必要なパラメーターだけを整然と配置している、という感じなので、音作りがめちゃくちゃ早いですし、シンセの知識がなくても適当に使えちゃいます。

ハード音源っぽいサウンド感が得られる

昨今のソフトウェア・シンセは本当に良い音がしますが、場合によっては凄く使いにくいケースがあります。簡単に言うと、プリセットがどれも派手過ぎて、使いどころが限られるんです(笑)。

特に、メジャーな音源はEDMや今風ダンス・ミュージックにはすごく使いやすい音が沢山だと思うのですが、それ以外のジャンルで使い勝手の良い音が中々見つからない…。いわゆる”普通“な音が少ない印象です。そんなときにRolandのINTEGRA-7が活躍してくれていたのですが、Synth Anthology 2は、その変わりに十分なり得る気がします。

何の変哲もない、普通のシンベ。普通のパッド… これは本当に助かります。

また、あまりライブラリのなかった90〜2000年代辺りの、いわゆるセミ・ビンテージのシンセが充実しているのも嬉しいポイントでした。それこそmoogやjupitar、JUNO辺りはいくらでも音色が見つかりますが、KORGのM1やTriton、YamahaのSY77あたりの音色は定番ビンテージ・シンセになると、一気に手薄になったり。この当時の音はクセが強くて変わりが利きにくいものも多いので、その辺りを補強できるのは強いです。

純粋に音が良い

ラストは、純粋にインストルメントとしての音の良さ。これはライブラリの質はもちろんですが、サンプラーとしてエンジン自体の良さも含めてです。

これまでライブラリーはKONTAKTベースで揃えてきたこともあって、どうせなら一箇所にまとめて…という思いからUVIに手を出していなかった部分が大きいのですが、エンジンとしての音の良さはUVI、使い勝手や機能はKONTAKTという感じでしょうか…。

KONTAKTの音がイマイチなのは昔から言われてきましたし、特に自分でサンプリングをすると良く分かるのですが、アタックが持っていかれるんですよね…。生楽器系はまぁ、まだ良いのですが、立ち上がりの早いシンセやドラム系となると結構利いてきます。

本日、17:00よりライブ配信を行います

今回も動画を作ろうと思ったのですが、なにせ収録量の多い音源ですしせっかくなら…ということで、本日17:00から、YoutubeでSynth Anthology 2を色々紹介するライブ配信を行います。

こんな音が聴きたい、〜の音は入っているか? なんてリクエストも歓迎ですので、お時間ある方はぜひご覧頂ければと思います。

 


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