Fracture Sounds / Tom Factoryレビュー(動画あり)

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講師の鈴木です。
今回はイギリスのソフトウェア音源ブランド、Fracture Soundsの新作エピック・アンサンブル音源「Tom Factory」を紹介します。

その名の通り現代的な映画音楽などで多用(必須といっても良いかも…)される、ド派手なタム・サウンドに特化したKONTAKT ライブラリになっています。
サウンドはもちろん、KONTAKTライブラリとしても非常に使いやすくかつユニークな機能が搭載されているので、触っていてとても面白かったです! そして、内容を考えても、このカテゴリのライブラリとしては非常に手を出しやすい価格なのも嬉しいポイントです。

目次

収録されているパーカッション

Tom Factory には、15GBのライブラリ(非圧縮換算だと43GB)35台以上のドラムによる合計82のアーティキュレーションが収録されています。また、Close、Mid、Farの3マイク・ポジションとソロとアンサンブル(5人)の両方が収録されているのもポイントです。
EPIC系楽曲に求められる壮大なサウンドにアンサンブルは欠かせませんが、アプローチによってはソロが必要な場合もありますし、アンサンブルとソロのアーティキュレーションを組み合わせることで、`奏法的にもサウンド的にもバリエーションを持たせることができます。

収録内容の概要を見てみましょう。

コンサート・タム

これぞ!というド派手でパンチのあるサウンドが魅力のコンサート・タム。一般的なドラムセットのタムとの違いはボトムの皮がない点。これによって、明瞭かつパワフルなサウンドを実現しています。
Tom Factoryでは10〜18インチのものが収録されています。

オクトバン

別名キャノンタムとも呼ばれる、筒状の太鼓がオクトバンです。映画音楽はもちろんポップスやロックの楽曲でも使われるので、耳にしたことのある方も多いと思います。こちらもさまざまなボディ・サイズ(オクトバンは深さで音程が変わります!)が収録されます。

ロート・タム

一般的なドラムのようにシェルがなく、ヘッドに回転する枠をつけて、その枠を回転させることで音程を変化させるのがロート・タム。シェルがない分シャープな響きが特徴で、コンサート・タムとはまた違ったサウンドが魅力です。
Tom Factoryには、6〜14インチの7タイプ(音程)が収録されています。

キックドラム

ライブラリには、タムだけでなくキックドラムも収録されています!
これはサウンドにしっかりとしたローエンドを加えるという目的があるようです。確かにキックが入ることで、パーカッション・アンサンブルとしてリズムが締ります!

ミックスごとに用意されたNKI

先述の通り、Tom FactoryはNative InstrumentsのKONTAKT上で動作するライブラリ。NKSとNative Accessに対応しているので、製品版KONTAKTユーザー以外でも使用できます。

ライブラリを開いてまず最初に驚いたのがNKI(KONTAKTのパッチ)の構成。
通常、楽器ごとやキットごとに収録されていることが多いと思いますが、Tom Factoryは6タイプのミックスの方向性ごとに72のNKIで構成されています。また後述しますが自分の好きなインストゥルメントを組み合わせてオリジナル・キットを簡単に作ることができます。

Hyped – このミックスは始めるのに最適な場所です。ドラムは、過度に処理されておらず、幅広い音楽スタイルで素晴らしいサウンドを奏でる、モダンな「プロデュース」サウンドを生み出すために形作られ、磨かれています。

Aggressive – 慎重に選択された処理チェーンを使用したアグレッシブ ミックスは、熱を高め、ダートと胴回りを追加します。このミックスの強いコンプレッションとサチュレーションは、ルームマイクのアンビエンスを引き出します。これを「パンチ」と「ディケイトリム」コントロールでさらに操作して、幅広い結果を生み出すことができます。

Snappy – アグレッシブ ミックスとは対照的に、スナッピー ミックスは、シャープなトランジェントとあまり広がりのないサウンドを備えた、短くきびきびしたヒットを提供します。ダイナミックレンジに重点を置いたSnappyミックスは、指での反応が非常に良く、演奏するのに最適です。

Punchy (full mix) – Snappy ミックスと同様に、Punchy ミックスには短くタイトなヒットがありますが、アナログ マスタリング チェーンを通じて処理され、さらなる重み、深さ、ハーモニック サチュレーションが加えられています。

XXL (フル ミックス) – これもアナログ機器で処理された XXL ミックスは、深くて広々としたサウンドでドラムを別のレベルに引き上げ、重いトレーラー ミュージックに最適です。このミックスのドラムは、チューブコンプレッサーと EQ によって極限まで処理されています。

Raw – このミックスはオリジナルの録音に最も近いサウンドです。ソース素材を強化し磨き上げるための穏やかな処理を行うだけで、Raw ミックスはオーガニックで誇張されていないサウンドが必要な状況や、ドラムをさらに処理するための出発点として最適です。

https://fracturesounds.com/product/tom-factory/

明快かつ効果的なパラメーター配置

ユーザー・インターフェイスは全NKIで共通になっています。

MAINページは、Tom Factoryのサウンドに関するパラメーターが配置されるPaneで、パラメーター名通りの働きですが、特に気に入ったのが「ENSEMBLE STACK」の機能です。
これは、その名の通りアンサンブルをレイヤーできる機能なのですが、アンサンブル / ソロの両方に使用可能。アンサンブルにかければ、もっと大編成のサウンドになりますし、ソロに使うと複数人数だけど、アンサンブル・パッチほどじゃない。みたいな音像感を作れます。
SIZEでレイヤーするサンプルの数を、LOOSENESSとSPREADでタイミングやピッチにずれとランダムを加えてアンサンブル感をコントロールすることができます。超便利!

オリジナルのキットを簡単に作成可能

Tom Factoryでは、好きなアーティキュレーションを組み合わせてオリジナルのキットを作ることができます。また、アーティキュレーションごとのボリュームやチューニングも、このページ内でカスタマイズを行います。
使い方も非常にシンプルで、SETUPページからリストを選ぶだけ。読み込み前に視聴が行えるのも便利ですし、読み込むと自動的にMIDI ノートが割り当てられる仕組み。さらにアーティキュレーションのMIDIマッピングを自由にカスタマイズすることもできます。

同じアーティキュレーションを複数読み込み、それぞれTuningを変えておく…という使い方もできますし、作成したキットを保存できたりと、かなり柔軟にカスタマイズできるのが重宝しそうです。

簡易的なフレーズ生成も可能なステップ・シーケンサー

RHYTHMページには、VELOCITYとFILTERの2つのステップ・シーケンサーが用意されており、ここでフレーズを作ることもできます。このシーケンサーは全インストゥルメントに有効で、ON にして鳴らしたいアーティキュレーションのMIDI Noteを入力すれば、ソレっぽいパターンを簡単に鳴らせます。
パターンはプリセットが用意されている他、自分で作成したパターンは保存しておくこともできます。

Fracture Soundsのユニークな音源ラインナップ

Fracture Soundsからは、Tom Factory以外にも様々なタイトルがリリースされています。
段ボールを叩いた音で制作されたパーカッション音源や、トイピアノ系など、他のメーカーとはちょっと違った視点のタイトルが多いのですが、それだけに他のタイトルでは換えの効かないライブラリでもあります。
以前に動画で紹介していたスレイベル音源の「SLEIGH BELLS」などフリーの音源も公開されていますので、ぜひチェックしてみてください!

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