Cakewalk / SONAR 2017.04 アップデートの新機能【動画連動】
講師の鈴木です。
主要DAWソフトの中で、唯一ナンバリングを排除してしまったのがCalewalkのSONARシリーズ。メジャー・アップデートがなくなり、その分、毎月新機能が更新される…という新しい展開が行われているソフトですが、新機能を把握できない! という側面もあるのかな、と。
そこで今回から毎月、アップデートで追加された新機能を動画と共に紹介していこうと思います。
MP3書き出しの制限解除
これまでのSONARって、mp3ファイルのエクスポートができなかったんですよね…。正確に言うと、mp3エンコーダーが期間限定版で、永続的に使うためには別途エンコーダーを購入しなくてはならない…という謎仕様だったんですよね…。
それが今回のアップデートでようやく解除。つまり、mp3エクスポートが可能になった! という訳。今回の目玉はココではないかと。Artist以上の全バージョン対応です。
Transform Toolの基本
ここ最近のアップデートでは、ピアノロールの機能強化に力が入っている気がしますが、今回もトランスフォーム・ツールという新しいツールが追加になっています。なお、本機能はPlatinumでのみ使用可能です。
メーカーのページは、何だか分かりにくい表現をしていますが、すごく言葉で表現しにくい機能なんですよね…。やっていることは非常にシンプルなので、動画で動いている部分を見て頂いた方が分かりやすいと思います。
トランスフォーム・ツールをONにすると、コントローラー表示部のデータが下図のように部分選択されます。
この四角で選択されたエリアにある○部分をマウスで操作することで、様々な編集ができる、というのがトランスフォーム・ツールの働きです。
例えば中央上部の○を上下にドラッグすると、全体のパラメーターを上げ下げ。左右上部の○を操作すれば徐々に大きく/小さくするカーブを作る…なんて具合です。
動画ではこの2つの動きしか紹介していませんが、カーブの頂点になる位置を調整したり、データだけを圧縮(タイム・ストレッチ)したり…と9種類の編集が行えます。
フォーム形状が選択可能
トランスフォーム・ツールは、デフォルトでは真四角なエリアで、選択した部分だけのデータを書き換えます。例えば、このような連続したデータがあったとします。
これを、通常モード(真四角)で編集すると、
こうなります。機能的には、至極当たり前の挙動ですね。ですが、トランスフォーム・ツールのボタンを右クリックして「ソフトモード」に切り替えると、
このように、前後のデータを自動的に滑らかなカーブで繋げてくれます。ベロシティーやダンパー・ペダルのようなポイント・ポイントで入力するデータは通常モードで。エクスプレッションやフィルター系はソフト・モード…と言った具合に、パラメーターの種類や編集内容によって使い分けると便利です。
オートフォーカス・モード
編集範囲は、デフォルト状態ではコントロール表示部をドラッグして選択しますが、オートフォーカス・モードをONにしておくと、ピアノロール上で選択したノートのタイミングにあるデータを自動的に選択することもできます。
オートフォーカスの挙動も、2タイプから選ぶことができます。
特定範囲のデータだけを選択できるのが便利!
トランスフォーム・ツールが、どのような場合に便利なのかと色々考えてみましたが、まずはやはりエクスプレッションを書く場合。一度書いたデータを書き直すことなく、頂点の位置を簡単に調整できるので、弦(ストリングス)の弓をかえすタイミングを変えたい…等の場合の編集はもの凄く便利に感じました。
もう1つがベロシティ調整。特に、ドラムのゴースト・ノートだけをもう少し下げたい…なんてときにはもの凄く便利。トランスフォームが働くエリアは、直接コントローラー表示部をドラッグして選択できるので、小さなベロシティーだけが選択されるように操作すればゴースト・ノートだけ選ばれる…といった具合。
細かくMIDIデータを編集する人にとって、かなり有益な新機能ではないでしょうか。
その他にも細かな新機能追加や、当然バグフィックスも行われているようです。
次回予告
これまでの傾向としてアップデータは毎月末に公開されていますので、次回もアップデータが公開され次第。5月末〜6月上旬頃に更新できると思います。
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