Axe-Fx IIなどハードを使う場合のリアンプ方法(動画連動)
講師の鈴木です。
前回に引き続き、Axe-Fx2ネタ…ということで、ハードウェアのアンプ・シミュレーターを使う場合のリアンプ方法について紹介します。
最近のアンプ・シミュレーターはUSBオーディオ・インターフェイス機能がついていて、USB接続でリアンプできるものも多いです。しかし、アンプ・シミュレーターのUSBオーディオ・インターフェイス機能は決して優れているとは言えないのが実情。オーディオ・インターフェイス専用機(この言い方も変な感じですが…)と組み合わせて使う場合のリアンプ方法について、紹介します。
本文ではAxe-Fx2で紹介していますが、KemperだろうとHelixやPODだろうと基本的には同じように考えることができます。
ドライ音をどう録るか
まず最初の課題が、ドライ音をどう録るか。まぁギターをHi-Z端子に接続すればドライ音は録れますが、せっかく持っているのですから、モニターもハードのシミュレーターで行いたいですよね。ここで考えられる方法は2通り。
1つ目がAxeの前にD.I.を噛ませて、信号を分割。オーディオ・インターフェイス(もしくはHA)とAxeにそれぞれ接続するという方法。図で書くとこんな感じです。
王道のセッティング…というか、リアンプの基本中の基本セットですね。ただ、この問題点はD.I.を用意する必要があるということ。D.I.によっても音が変わるし…とか細かいところまで気になってきますよね。。
音質的に定評のあるD.I.ってそこそこの値段がしますし。
シミュレーター上でドライをパラる方法
ルーティングの自由度が高いシミュレーターを使っている場合、シミュレーター上で信号をパラり、エフェクト音とドライ信号を別に出力することもできます。
例えばAvidのEleven Rackのフロントにある「OUTPUT to AMP」端子が良い例ですが、常にドライの信号を出力できるので、D.I.でパラるのとまったく同じことができます。
この出力端子からはドライの音を出す、のような設定ができたり、この辺りはモデルによって様々ですが、最近の製品であれば何かしらできるモデルが多いと思います。
Axe-Fx2の場合は、下図のように入力から直接FX LOOPにルーティングさせることで、OUT2端子からドライ信号をパラれるようになります。これをオーディオ・インターフェイスの空いたチャンネルに接続すれば、エフェクト音とドライ音を同時にDAW上に録音することができます。
DAWソフト上にレコーディングする
使っているオーディオ・インターフェイスのチャンネルに余裕がある場合は、ドライ音とエフェクト音を同時に録音しておくのがオススメです。
というのも、録音後に演奏を聴くときにエフェクト音を聞いておけば、わざわざドライ音にプラグインのアンプ・シミュレーターを使う必要がありませんし、そもそも最初に作った(録った)音で問題なければ、リアンプの手間を省くことができますので。
DAWソフト上で波形エディットする場合は、ドライ音とエフェクト音のトラックやリージョンをリンクさせておけば、どちらか片方に行った編集を両方のデータに反映させることができます。
Logic Pro Xの場合は、トラックのグループ機能をONにして、「設定」タブ内にある「編集(選択部分)」にチェックを入れることで、トリミングやフェード処理などの編集がリンクするようになります。
リアンプ時のルーティング
リアンプする場合には、ドライ音だけをソロ再生するか、メインとは別の出力バスにルーティングし、アンプ・シミュレーターに戻して再録音します。
このときに注意して欲しいのがインピーダンス。オーディオ・インターフェイスの出力はライン信号(ロー・インピーダンス)なので、通常のギター入力端子に接続してしまうと音質が変化してしまいます。ライン入力端子がある場合は、そちらに接続します。
ライン入力ができない場合、別途リアンプ・ボックスが必要です。ロー・インピーダンスをハイ・インピーダンスに変換する、ちょうどD.I.の逆の働きをする機材。リアンプだけでなく、ソフトウェア音源にギター用のコンパクト・エフェクターを通す…といった面白い使い方もできるので、持っておくと何かと便利ですよ。
Axe-Fx2を使ったリアンプ・サービス受付中!
最後に軽く宣伝を。。DAW LESSONでは、先日よりAxe-Fx2を使ったリアンプ・サービスをスタートしました。
ギターやベースのラインの信号を送って頂き、Axe上でご希望のアンプやエフェクターを音作り。リアンプしてお渡しする、というサービスです。制作で使って頂くも良し、購入前に自分のギターとの相性をテストしたい…など色々な用途でご利用頂けます。
音作りを細かく指定したい、という場合はレッスンでもお受けすることも可能です。この場合、レッスンの時間を使ってサウンド変化を聞きながら音色を追い込んでいくことができます。また、60分以内であれば何音色でもリアンプ可能です。
サービスについて、詳しくは専用ページをご覧頂くか、お気軽にお問い合わせください。
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