各社のLA-2Aプラグインを比較してみました!

本サイトのコンテンツにはアフィリエイト広告を利用、またはプロモーション記事が含まれている場合があります。

講師の鈴木です。
今回のメンバー限定記事は、以前アップして好評だった聞き比べてみたシリーズ第4弾、各社のLA-2Aモデリング・プラグインのサウンドを比較してみようと思います。1176に続きコンプレッサーの定番で、個人的にも大好きなモデルです。実際にボーカルに掛けたときの音色変化を聞き比べてみましょう!

目次

LA-2Aについて

まずはLA-2Aについて、軽くおさらい。LA-2Aは1960年代初頭登場したClassic Leveling Amplifier…要するにコンプです。
オリジナル・モデルは1969年に製造が中止されてしまっており、当時のモデルは高値で取引されています。

現在はUniversal Audioが復刻したリイシュー版が販売されているので、現在でも現行モデル(写真)として手に入れることは可能です。
https://hookup.co.jp/products/universalaudio/LA-2A.html

コンプレッサーの動作原理にはいくつかのバリエーションがありますが、このLA-2Aはオプト…いわゆる光学式と呼ばれるタイプ。簡単に言えば入力された音量を光の強さに変換し、その光量をセンサーで受けて電力に変換するというプロセスです。LA-2Aを始め、TUBE-TECHのCL1Bもこのタイプです。

そんな仕組み上、どうしても信号に対する反応性が遅くなってしまいますので、アタック感のある音には向いていません。一方で、ボーカルのように比較的アタックが滑らかなパートに対しては、もの凄く相性がよく、良い感じでまったりとした、スムーズなサウンドが魅力です。
個人的にLA-2Aタイプを良く使うのはボーカル、そして弦(ストリングス類)のステムでしょうか。指引きやフレットレスのベースに使っても良い感じにまとまるのでオススメです。

 

LA-2Aのパラメーターと使い方

2016_la2acomp_2LA-2Aはコントロールも非常にシンプル。基本的にはGAINとPEAK REDUCTIONの2つで音作りを行います。スレッショルドやアタック、リリースといったお馴染みのパラメーターもないので、コンプに詳しくない人でも使えると思います。

・PEAK REDUCTION:コンプレッションの掛かり具合を調節します。
・GAIN:最終的な出力レベルを調整します。
・Limit / Compress:動作モードを、コンプレッションとリミッティングから切り替えます。

基本的にはGRメーターを見ながら「PEAK REDUCTION」で掛かり具合を調節。コンプレッションされた分を「GAIN」で補うという2ステップ。実質1ノブだけで音作りが行えます。

また、プラグインによっては+αのパラメーターが用意されている場合もあります。

比較対象にしたプラグイン

今回聞き比べを行ったのは、以下のプラグインです(アルファベット順)。

 

cakewalk / CA-2A

2016_la2acomp_3DAWソフト、SONARを開発するCalkwalk社がモデリングしたCA-2Aプラグイン。R37パラメーターは実機の背面に用意されたオプション・コントロールで、高周波数に対するコンプの掛かり具合を調整することができます。http://www.cakewalk.com/products/CA-2A/

IK Multimedia / T-RackS White 2A

2016_la2acomp_4

マスタリング・ソフト、T-RackSシリーズの追加モジュールです。シリーズにはLA-2A以外にもNeveやAPIといった有名アウトボードがラインナップされているので、見ているだけでも楽しいですね。http://www.ikmultimedia.com/jp/products/trwhite2a/

Native Instruments / VC 2A

2016_la2acomp_5

DAWユーザーの中でも所有率の高いであろう、Native Instruments。VC 2Aは単体販売KOMPLETE Ultimateにも収録されています。NIブランドから販売されているものの、中身はアウトボードのモデリングで名高いSoftube社が手がけています。https://www.native-instruments.com/jp/products/komplete/effects/vc-2a/

Universal Audio / Teletronix LA-2A Classic Leveler コレクション

2016_la2acomp_6

本家、Universal Audioから販売されているのがTeletronix LA-2A Classic Leveler コレクション。LA-2A以前に作られた「LA-2(写真下)」、60年代半ばのJim Lawrence時代のモデルを再現した「LA-2A Gray(写真上)」、60年代後半のBilPutnam時代の「LA-2A Silver(写真中)」の3プラグインで構成されています。時代が違うだけでなく、サウンドもかなり差があります(要UADプラットフォーム)。http://www.uaudio.jp/uad-plugins/compressors-limiters/teletronix-la-2a-collection.html

Universal Audio / Legacy LA-2A

2016_la2acomp_8Teletronix LA-2A Classic Leveler コレクションはオプションとして、別で追加購入する必要がありますが、UADプラットフォームの製品を購入すると、最初からバンドルされるのがこのLegacy LA-2A。モデリングの世代が古く、こちらはトランス部や入出力のディストーション特性がモデリングされていません(要UADプラットフォーム)。http://www.uaudio.jp/uad-plugins/compressors-limiters/uad-la-2a.html

Waves / CLA-2A

2016_la2acomp_7

最後はプラグイン・エフェクト界の重鎮、WavesのCLA-2A。Green Day、U2、Avril Lavigneなどを手がける人気エンジニア、クリス・ロードアルジ氏が所有するLA-2Aをモデリング。氏のプリセットも付属しています。http://www.minet.jp/brand/waves/cla-2a/

聞き比べてみよう!

素材は堀田先生に歌って貰ったボーカル・ファイルで、全プラグインともピークで6dBのゲイン・リダクションが行われるように設定。入力と出力が同じレベルになるようにGainを設定しています。なるべく共通の状態になるようにしていますが、各プラグインごとにレベルも針の振れ方まで全然違うので、特にゲイン・リダクションはそこまで厳密に合わせられていません。

各ファイルはApogee Symphony I/O経由でTASCAM DA-3000にwav(24/48)で録音。モデルによってピークの出方がぜんぜん違ったので、レベル差を整えるためにノーマライズだけしています。

せっかくなので、まずは先入観を避けるためにも名前を伏せた状態で聞き比べてみて下さい。1がオリジナルのコンプが掛かっていない素のファイルです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次