【音楽制作のお悩み相談】第3回 EQとコンプの順番はどうやって使い分ければいいの?

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講師の鈴木(@dawlessonです。

今週は、割とご好評頂いている(笑)音楽制作のお悩み相談の第3回目をお送りしていきます。

今回は前回のEQの使い方に関係する項目…ということで、EQとコンプレッサーの接続順がテーマです。つまり、EQ→コンプという順番とコンプ→EQという順番のどちらが正解か!? なんて疑問にお答えしていこうと思います。

この点については、明確な答えがあります。

どちらも正解なので、目的に応じて使い分けましょう!

これだけだとさすがに乱暴ですので、動画と併せて詳しく見ていきましょう。

目次

エフェクトを掛ける順番の考え方

今回の質問は、本質的にはエフェクトを掛ける順番ということになると思います。EQとコンプという、どちらも音量をコントロールするエフェクトの組み合わせのためにイメージしにくいと思いますから、他のエフェクトに置き換えて考えてみると、意外と簡単です。

例えば「ディストーション」と「リバーブ」の2つのエフェクトを掛けるとします。

「ディストーション→リバーブ」の順に掛けると、歪んだ音に対してリバーブ(残響)が加わることになります。逆に、

「リバーブ→ディストーション」にすると、こんどはリバーブで加わった残響を含む、すべての音に歪みを与えることになります。

この例だと「残響成分を歪ませたいか」によって、接続順が変わってくることになります。これは、DAWやミックスだけでなく、ギターの音作りでもまったく同じです。

EQとコンプの働き

次に、EQとコンプの働きを思い出してみましょう。

EQは前回のVol.2でも触れた通り、帯域ごとの音量調整を行うエフェクトです。

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そしてコンプは、音の大きい部分を圧縮することで、小さな音との音量差(ダイナミクス)を減らすことのできるエフェクトです。

コンプレッサーの基本や使い方、タイプ別の活用例など詳しく学びたい方は、ぜひ動画レッスンをご活用下さい。約60分の動画で、コンプの働きを簡潔で分かりやすく解説しています。

これらを踏まえた上で、実際のそれぞれのルーティングでどのような効果と特徴があるのかを考えてみます。

EQ→コンプの場合

EQ→コンプの純で掛けると、EQで補正した音でコンプレッサーを動作させることができます。

一般的な(シングル・バンド)コンプレッサーは、帯域に関係なく、スレッショルドを超えた音に圧縮を行います。つまり、特定の帯域に不要な要素が多く含まれていた場合、そこに反応してコンプが掛かってしまう… 結果的に、本当に掛けたい帯域にコンプを掛けることができない。 ということになります。

つまりコンプのかかり具合を調整したいときに、EQ→コンプのルーティングが威力を発揮します。

※話は変わりますが、メーター上の数値は大きいのに聴感のレベルが小さいという場合も、こういったことが原因になっていることが多いです。

1番分かりやすい例が低域です。低域は実際に聞こえているよりも多くのエネルギー(音量)を持っていることが多いので、低域でコンプが働いてしまい、本当にコンプレッションさせたかった中域がうまく潰れてくれない or 潰れるようにThresholdを下げると掛かりすぎてしまう… なんてケースでは、コンプの前段にEQを掛けて、不要な帯域をカットしてあげます。

逆に、コンプを掛けたい帯域をブーストするのもアリですが、ちょっとコントロールの難易度が上がるので、まずはカット方向で使っていくのが良いと思います。

コンプ→EQの場合

コンプ→EQの場合は、コンプで圧縮した後でEQ処理が行われることになります。

コンプを掛けると、セッティングにもよりますがサウンド・キャラクターや音量バランスが変化しますので、その後で理想とするサウンドにEQで補正していく…というイメージ。

つまり音質の最終的な微調整をする場合、もしくは(EQをブーストさせて)大きくサウンドを作り替えたい場合は、コンプ→EQというルーティングが便利です。

重ね技もアリ

EQとコンプを組み合わせたような音作りが1台で行えるのが、マルチバンド・コンプレッサーです。各帯域ごとにコンプが付いているので、帯域に適切なコンプレッションが行え、GAINを調整すればEQ的にも動作する…という便利なエフェクト。ですが、パラメーターが増える分扱いも難しくなるので、まずはシングルチャンネルのコンプとEQで慣れるのがオススメです。

また、場合によってはEQ→コンプ→EQと、EQを2段重ねする、なんてセッティングも良く行われます。このセッティングの場合、最初のEQで不要な帯域をカットし、コンプで基本の音を作り、EQで最終補正という流れで、ボーカルやギターなど、曲の主役としてしっかり主張させたいパートに使っていくと効果的だと思います。

動画では、実際のサウンド変化を効きながら解説していますので、ぜひご覧くださいませ。

 


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