歌モノ楽曲に今すぐ活かせる、ストリングスの付け(作り)方
講師の鈴木(@dawlesson)です。
ある程度完成度の高い曲を作ろうと思うと、DTM的知識よりも、音楽理論や楽器自体のことを知っているか…が重要になってくると思っています。
今回は、そんな中でも分かりにくいパートの上位に来そうな「ストリングス」パートの作り方について、私なりの考え方を雑談形式で紹介していきます。
※和声や対位的な専門的な話題ではなく、初めて触れる人でもそれっぽいフレーズが作れる! という切り口でお話しています。
知っておくと便利な11のポイント
動画では、私なりに「弦をそれっぽく入れるための11のポイントやテーマ」を順に紹介しています。
- 最初からバラして考える?それとも1Trで考える?
- どのパートから作り始めるのか
- チェロ・パートの考え方
- 1stヴァイオリン・パートのトップの考え方
- 2ndヴァイオリン・パートの考え方
- ヴィオラ・パートの考え方
- フレーズを動かしていく
- メロディとトップノート
- 弦らしく聞かせるフレージング
- 縦と横で考える
- 使いやすい音源を選ぶ
最初に気を付けるのは、ボトムとトップ
色々な切り口はあると思いますが「歌モノ」ということを考えると、やはりトップノート(Vn)とボトムノート(Vc)から考えて行くのが分かりやすいと思います。
まず低域ですが、基本的に低域はベース(パート)が担っているので、チェロもベースに準じた音に当てておかないと、低域が濁る原因になってしまいます。
トップは、楽曲の主役はあくまでボーカルですから、ボーカルとの関係を考えていく必要があります。例えばメロディーのラインをずっとVnがなぞっているというのは、ダメということはないですが、逆にバランスを取るのが難しくなってしまいます。
ポップスやロックの場合、あまり小難しい禁則等を考えるよりも、カッコ良ければOK!という部分も大きいですので(笑)、動画で紹介した内容でも、まずはそれっぽくなると思います。
使いやすい音源を使う
フレージング、という本筋からはずれてしまいますが、最近の歌モノ楽曲の場合は、ある程度早いパッセージに対応できる音源を持っておくと便利だと思います。
いわゆる「オーケストラ音源」系のストリングスはアタックが遅い音色も多く、早いフレーズに対応しきれない場合もあります。個人的にオススメなのはChamber系。ストリングス音源は、ある程度の音源になるとどうしても値段も上がってしまいますが… 1つ持っておくと色々な問題が一気に解決できることも多いので、弦が好きな方は気合い入れて奮発するのも良いと思います!
個人的オススメの音源
個人的にオススメのストリングス音源を、いくつか紹介しておきます。
Best Service / CHRIS HEIN STRINGS COMPACT
フル版のライブラリを使っていますが、音色も明るくアタックも速いので使いやすいと思います。また、ベタ打ちでもそこそこ聴けるサウンドになるので、何かと重宝します。
Spitfire Audio / Studio Strings
昨今のオケ系ライブラリのスタンダード、Spitfire Audioの小規模ストリングス・ライブラリです。Spitfireの音源はとにかくパッチが良く出来ていて、最小限の手間と時間で“らしい“音場を作ることができます。
Chamber Stringsというライブラリもありますが、今風のポップスなら、こちらの編成のが使いやすい気がします。
Virharmonic / Bohemian Violin
ソロ弦…しかもヴァイオリンだけではありますが、鍵盤演奏だけでかなりリアルな雰囲気を作ることができる、面白くて実戦的な音源です。アンサンブルの音色にプラスして使っていたりします。
Native Instruments / Session Strings 2
だいぶ毛色が変わりますが、Session Stringsシリーズも何だかんだ使いやすいと思います。とにかくアタックが早い! 音が派手! 音数の多い歌モノやダンスミュージック…特にBlack系との相性はかなり良いと思います。
良い音源は他にも沢山ありますが、結局は使う人の好みによる部分も多いと思いますので、とにかくデモを聴き(見)まくってみるのが良いと思います!!
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