Fracture Sounds / Petrichor
講師の鈴木です。
今回はFracture Soundsから新たにリリースされたWood windライブラリ「PETRICHOR」を紹介します。
本タイトルは、Fracture Soundsと、ロンドンを拠点に活動しているコンポーザーDan Keen氏とのコラボレーションで作られたシグネチャー・コレクション。一般的なwoodwindライブラリとは一味違った、Fracture Soundsならではのアトモス感溢れるサウンドが魅力です。
収録内容
PETRICHORは、フルートやクラリネット、サックスなど楽器単体ではなく、すべてアンサンブル・パッチとして、音域別に「High」「Low」「Full」の3パターンと、それぞれのAltの合計6パッチ(nki)が収録されています。
各音色には8つのアーティキュレーションが用意されていますが、こちらも一般的な「奏法」のバリエーションではなく、「音色」のバリエーションという印象。それぞれの音色をビジュアル化したパネルをクリック、もしくはキースイッチ(割り当て音域はカスタマイズ可能!)で変更できます。
演奏する音を自動認識して適切なトリルを発音できる「SMART TRILL」や、効果音的に使えるものも用意されています。
ATMOSPHERE LAYERとパラメーター
同社のライブラリではお馴染みのATMOSPHERE LAYERで、原音(RAW)の音に対して加工された3種類の音を重ねて鳴らすことで、独特の浮遊感のあるサウンドを作っていくことができます。
またサンプル名をクリックすることで、収録された8音色から各チャンネルに読み込む音色を変更することもできるので、1パッチの中である程度のバリエーションを作ることは可能です。
パラメーターとしては、Dynamics、Expression、Colour、Reverbの4つとシンプル。DynamicsはCC #1、ExpressionはCC #11が最初から割り当てられているので、昨今のオーケストラ・ライブラリと同じ要領で、サウンドに表情をつけることができます。
ベースになっているのはウッドウィンドですが、そこにアトモス系サウンドがレイヤーされることで“生っぽさはありつつもシンセとは違う” 独特のサウンドが作れます。
特にゆったりとしたサウンドスケープや、エモーショナル系の楽曲との相性も抜群なので、ぜひチェックしてみてください。