9つの音源のピアノ音色を比較してみました!
講師の鈴木です。
今日公開の全体記事でSpectrasonicsのKeyscapeを紹介しているのですが、サウンド・プレビューを作っていたら、ふと他の音源と比べてみたくなり…。急遽、メンバー限定記事として公開することにしました。
本当はエレピもやりたかったのですが、今回はピアノ音色に絞って手持ちの音源で鳴らし比べてみました。
対象となるのは以下の9つの音源です。
・Modart / Pianoteq
・MOTU / MachFive
・Native Instruments / KONTAKT
・Native Instruments / THE GRANDEUR
・Spectrasonics / Keyscape
・Synthogy / Ivory 2
・XLN Audio / AddictiveKeys
・Roland / INTEGRA-7
・YAMAHA / MOTIF XS
では、早速比べていきましょう!!
Modartt / Pianoteq
今回取り上げた…というか現存するピアノ音源の中で、おそらく唯一のモデリング音源。サンプルを使うのではなく、ピアノを構成する各パーツをコンピューター上に再現し、音を出すというユニークな音源です。最新版は”5″ですが、アップグレードしていないので、サンプルは”4″のまま…。
サウンドは、他の音源に比べてちょっと甘めというか輪郭が丸い印象。クラシック系のソロ・ピアノで使うといい雰囲気が出そうですね。サンプルはプリセットのままですが、これだとPOPSでは少し使いにくいかも。モデリングなので、パラメーターを追い込んでいけるのはPianoteqならではのメリットですね。
http://www.minet.jp/brand/modartt/pianoteq-pro/
(2017’09追記)
Pianoteq 6にアップグレードしました。ピアノ・モデルが劇的に良くなっていたので、音声ファイルも追加しました。
Pianoteq 6については、以下ページで詳しく紹介しています。
https://dawlesson.net/review/170929_pianoteq6/
MOTU / MachFive 3
MOTUの総合音源、Mach Five 3。他社製のサンプル・フォーマットを読めるので(少し昔のハードのフォーマットなんかも)持っていると重宝します。合計45GB以上のサウンド・ライブラリが収録されているのですが、その中のピアノ専用インストゥルメントがF Grand 278というモデル。その名の通りFazioliコンサート・グランドをサンプリングした音源で、サンプルはスクリプト音源で定評のあるAcoustic samples社のもの。
サウンドはスッキリ、煌びやか系。Fazioliのピアノは実機を聞いたことがないのでリアルかどうかは分かりませんが、ハデ目のサウンドは刻みで使ってもマッチしそうです。
http://www.h-resolution.com/motu/machfive3.php
Native Instruments / KONTAKT 5
お馴染み、Native InstrumentsのKONTAKT 5の標準ライブラリのピアノ音色です。良し悪しというよりも、基準になる音という目的で入れています。
専用音源と聞き比べてしまうと比べるのは酷ですが、マルチ音源に収録されている、昔ながらのピアノ音色という感じですね。。
https://www.native-instruments.com/jp/products/komplete/samplers/kontakt-5/
Native Instruments / THE GRANDEUR
KOMPLETE Ultimateに収録されているピアノ・ライブラリです。サンプルを手がけているのはGalaxy IIやVintage Dといったピアノ音源をリリースするGalaxy Instruments社。
伝説的な正統派コンサート・グランドをサンプリング…。ということで明確なモデル名は証されていませんが、スッキリしていてクセのないサウンド。ちょっと軽い気もしますが、そのままオケに馴染んでくれやすいと見ることもできると思います。KOMPLETEには他にも色々なピアノ音源が入っていますが、コレが1番クセが少ないように感じました。
https://www.native-instruments.com/jp/products/komplete/keys/the-grandeur/
Spectrasonics / Keyscape
キーボード音源、Keyscapeに収録されているLA Custom C7。YAMAHAのコンサート・グランド、C7をカスタムして収録したモデルです。
C7というと、ハイ寄りのカチッとしたヤマハらしいサウンドというイメージがあったのですが、KeyscapeのC7はSpectrasonics色に染められている印象(笑)。個人的にはこちらの方が好みです。
http://www.minet.jp/brand/spectrasonics/keyscape/
Synthogy / Ivory 2
大容量ピアノ音源の定番、Ivory II Grand PianosからYamaha C7 Grandのパッチを選んでみました(keyscapeに合わせて)。
Ivory 2の音は、どのモデルも本当に綺麗で優雅。繊細な表現を出したいならコレでしょうか。良くも悪くもリアルで、マイクでピアノを録るとこんな音だよね、と納得できるサウンドだと思います。その分、そのままでは線が細く聞こえてしまいまいがち(特にポピュラーでは)なので、EQなりコンプなりである程度の音作りは必須になると思います。
http://www.minet.jp/brand/synthogy/ivory-grands/
XLN Audio / AddictiveKeys Studio Grand
Addictive Drumsでお馴染みのXLN Audioのピアノ音源。Addictive Drumsと同じように、パッチを読み込むだけで、小難しいことを考えなくてもソコソコ鳴ってくれ、かつ動作も軽快というありがたい音源です。
Studio Grandの元になっているのはSteinwayのModel D。絶妙にシンセっぽい雰囲気があり、これが歌モノにはかなりマッチします。ロード時間も短いので、とりあえず立ち上げて曲を作り、そのまま最終テイクまで残っている。そんな音源だと思います。
http://www.h-resolution.com/xlnaudio/ak_studiogrand.php
Roland / INTEGRA-7
ここからはハード音源編。まずはRolandの現フラッグシップ(1製品しかありませんが…)音源モジュール、INTEGRA-7のプリセットの1番始めにあるピアノ音色です。
音的には、ザ・今風のシンセ音色というイメージでしょうか。軽めでアタックがハッキリしているので、歌モノの伴奏にはかなりマッチすると思います。
https://www.roland.com/jp/products/INTEGRA-7/
YAMAHA / MOTIF XS
現在マスター・キーボードとして使っているワークステーション、MOTIF XSのプリセット1番に入っているピアノ音色です。
自社のコンサート・グランドをベースにしているのだと思いますが、凄く分かりやすくヤマハの音(笑)。ソロで弾くというよりも、音数の多いオケに入れたときにイイ感じで馴染んでくれる音色だと思います。