スモールダイアフラム・コンデンサーマイクの魅力!(試聴動画あり)
講師の鈴木です。
今回はスモールダイアフラムのコンデンサー・マイクについて紹介してみます。
コンデンサー・マイクというと、どうしてもラージダイアフラムのイメージが強いと思いますが、2本目のマイクや楽器の録音が中心の場合には非常に有効で、面白い選択肢ではないでしょうか?
ラージダイアフラムとスモールダイアフラム
そもそもラージとかスモールって何かというと、マイクに使われているダイアフラム(振動版)の大きさのこと。
大体1インチ(25mm)前後のダイアフラムを搭載したマイクを「ラージダイアフラム」、それ以下の1/2インチ(13mm)前後のダイアフラムを搭載するマイクを「スモールダイアフラム」と呼びます。
結構シンプルですよね!
マイクは音という空気の振動を電気信号に変える機材ですが、その振動を検出するという役割を担っているのがダイアフラムです。そんな超重要な部分だけに、ダイアフラムによって録れる音の方向性がまったく変わってきてしまうという訳です。
ラージダイアフラムの主な特徴
NeumannのU 87 AiやAKGのC 414、Audio-technicaのAT 4050等に代表されるラージダイアフラムのコンデンサー・マイクは、ボーカル収録などでも定番です。
ダイアフラムが大きいということは、それだけ振動しやすいということ。そして柔軟に動くために感度が高いのが特徴です。その反面、高域だと振動しにくくなってしまうという弱点もあります。
また低域からローミッドが充実してマイクごとのキャラクターが乗せやすいので、特にボーカル収録においてはラージダイアフラムが使われることが大半です。
スモールダイアフラムの主な特徴
一方のスモールダイアフラムは、ダイアフラムが小さくて軽く高域の微細な振動もしっかりキャッチすることができるので、広い周波数レンジでフラットな収録が可能です。
またダイアフラム自体が(ラージに比べて)硬いために大きな音で割れにくいというのもメリットです。
反対に中低域の情報量はあっさりしており、ノイズの影響も大きくなってしまいます。
このように、ラージダイアフラムとスモールダイアフラムのメリットとデメリットは反対の関係にあり、一長一短。用途に合わせて選んでいくことになります。
実際のサウンド傾向については、動画の中でボーカルとアコギで録り比べてみたので、ぜひご確認ください!
おすすめのスモールダイアフラム・マイク
最後に、おすすめのスモールダイアフラム・マイクをいくつか紹介します。
ラージダイアフラムに比べて、驚くほど高いマイクは(そこまで)多くないので、比較的手に取りやすいと思います!
AKG / P170
スモールダイアフラムの超定番、C451Bでお馴染みのAKGが販売するハイコストパフォーマンス・モデル。
低価格ながらC451B譲りのクリアで明瞭感のあるサウンドが特徴です。
sE Electronics / sE7
手頃な価格ながら評価の高い製品でお馴染みのsE Electronicsの入門モデルですが、以前に使ったときにはギラつきすぎることもなく、かなり印象はよかったです!
価格もお手頃なので、ペアで揃えておきたい1本です!
Neumann / KM184
スモールダイアフラムとしては少し高めですが、音にこだわるならぜひチェックして欲しいKM184。
Neumann らしいというか、非常に聞き馴染みのあるサウンドです。