楽曲制作ドキュメントその11.ミックスダウンで曲を仕上げる

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講師の鈴木(@dawlessonです。

楽曲が出来上がるまでの一連の流れをお見せしていく本企画。今回はミックスダウンの模様をお送りしていきます。

といっても、「ここをこうすればOK」という決まりがある作業ではないので、動画では普段どんな事を考えながらTDしているのか…というテーマで雑談した感じになってしまいました(汗)。本blogでは、動画では紹介しきれなかった部分…というよりも、言い忘れてしまった部分を補足していこうと思います。

目次

作業の基本的な流れ

まず、私がいつもTDを行うときの流れですが…

  1. アレンジをマルチで書き出す
  2. TD用のプロジェクトにインポート
  3. ストリップサイレンスやフェード処理、チャンネルのリネームなど作業しやすいように調整
  4. ボリュームとパンでザックリとバランスを取る
  5. 各種エフェクト処理/オートメーション調整
  6. マスター・レコーダーに落とす
  7. DAWソフトに再取り込みして、マスター・エフェクトで最終仕上げ

ざっくりとこんな流れです。これ自体は特別変わったところはないと思いますが、唯一ポイントをあげると、アレンジまでとTDでプロジェクトを分けていることでしょうか。。

私の場合は、DAWソフト自体を変えてしまっています。その理由…という程のものはないのですが、昔から

  • 曲作り〜アレンジと自分のREC → Logic
  • 人のREC〜TD → Pro Tools

という風に使い分けていたので、それを引きずっているというだけです。今のLogicは音も悪くないですし、TDまで問題なくできるのですが、アレンジまでとTDで気分や頭を変えるという目的でソフトを分けています。設定も各作業に最適化できますし、効率的ではないと思うのですが割とオススメです。

ミックスで劇的に良くなる、ということはない(と思っています)

「ミックス」に関して悩みを持たれている方は多いと思いますが(私だって、悩みはつきません!!!)、大原則としてミックスする前と後で、劇的にサウンド(クオリティー)が変化することはないと思っています。

言葉を選ばずに言えば、アレンジ時にショボかった音が、市販CDのようになることはありません…。もちろん腕の良いエンジニアが手がければ音的には改善しますが、それでも限界はあります。

何を言いたいかというと、ミックスが上手くいかない理由は、ミックスの腕やツールによる部分よりも、アレンジまでの完成度や煮詰め具合の方が影響が大きいはず、ということです。

例えばどうしてもボーカルが浮いてしまう。その理由はそもそもオケにボーカルが入る余地がない可能性はないでしょうか? イイ感じで音が抜けてこない。その理由は元々の音色はどうでしょうか??

みたいな感じです。こういったシーンをミックス段階でねじ曲げるためには、相当のスキルが必要。それならば、元のアレンジを弄った方が何倍も楽ですし、経験上、仕上がりも良くなると思います。

少し大げさな表現になってしまいましたが、ミックスはアレンジの延長線上。ちゃんとアレンジを組むことが、ミックスを成功させる1番の近道。…と心がけながら、いつも作業をしています(笑)。

ミックスに決まりはない!

また、よくあるのが「〜に書いてある通り、xxxの設定にしてみたけれど、上手くいかない」というもの。

書籍やネットに書かれている「エフェクトの設定値」はほとんどあてにならないと思っています。冷静に考えれば分かると思うのですが、「元がどんな音で、他にどんな音があって、どんな音にしたいのか」が違えば、同じ設定になる訳がなく。。

確かに、ある程度のルールというか「傾向と対策」みたいなものはありますが、「この設定にすればOK」みたいな明確な答えは、残念ながらないように思います。

ではどうするか… というと、やはりミックスの基本を振り返ることしかないのかなぁ、と。まずはボリュームとパンで基本の音を作り、必要に応じてエフェクトを掛けていく。こうすると、必然的にどんな処理が必要になるかが見えてくるのではないでしょうか?

そのエフェクトは、本当に必要?

同じような視点ですが「そのエフェクトが本当に必要か」というジャッジをするのが大切になってくるのではないでしょうか。

例えば、EQやコンプは必ず使うもの。なんて思ってしまいがちですが、本当にそうでしょうか? 本来必要ないところに掛けてしまうと、それだけ調整しなくてはならないパラメーターが増えるだけで、バランスを取るための難易度は劇的に上がります。

無駄なエフェクトを避けるコツは、「こうしたいから、これを使う」という明確な意図を持って使うことだと思います。これはアレンジにも共通していて、“なんとなく“で音やエフェクトを足さない。言葉にするとシンプルですが、実践するのは結構難しかったりします。

とにかく、やってみる!

ミックスに限らず、曲作りもとにかく数をこなすのが1番重要です。最初は思うようにならなくても、次第にコツが掴めてくるようになると思います。

 

ということで、楽曲制作ドキュメントは今回でひとまず終了です。

今後も「実践」系のコンテンツをやっていきたいと思っていますので、何かネタがあればコメント頂けば嬉しいです。

 

 


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