マルチティンバー音源はどう扱うべき!? 使いやすさやCPU負荷の違いを考えてみる。

講師の鈴木(@dawlessonです。

今回は普段と少し趣向を変えて「マルチティンバー音源の扱い方」をテーマに考えてみたいと思います。

先日レッスンでKONTAKTのマルチティンバーの使い方についてご質問を頂き、「そういえばマルチティンバーで使ってないな…」と思ったのがきっかけだったのですが、どうやらKONTAKTはマルチで使う〜 的なネット記事を見てのご質問だったようでした。

使い方に「正解」はないと思いますので、自分が使いやすい方法で使えばOKです。それを前提に、私がマルチティンバーとして使っていない理由についてまとめてみようと思います。

※ここでは、Logic+KONTAKTの例でお話をしています。その他のソフトでは状況が違う場合もありますので、ご了承くださいませ。

そもそも、マルチティンバーって何?

最近DAWを始めた方の中には、そもそも「マルチティンバー」という言葉を聞いたことがない方も多いと思います。

簡単に言えば、1つの音源(ソフトシンセ)の中で、複数の音色を鳴らすことのできる音源のこと。代表的な製品だと、NativeInstrumentsのKONTAKTやIK MultimediaのSampleTank、SteinbergのHALIon、UVIのUVI Workstationあたりでしょうか。

仕組みとしては、それぞれの音色ごとに別のMIDI Chを設定して鳴らし分ける…というものです。

一見すると、1つの音源で複数の音色を扱えるのは便利なようですが…。冒頭でも触れた通り、私自身は10年ほど前から特別な理由を除いてマルチティンバーで使うことをやめていました。(※VEPも一種のマルチティンバー音源として考えることもできなくはありませんが…)

音色を呼び出す手間が多い

その一番の理由は、音色を鳴らすまでに必要な作業が多いという点です。

設定方法はお使いのDAWソフトによって若干異なると思いますが、Logicの場合は、インストゥルメント・トラックをマルチティンバーで作成し、音源をインサート。

音源側で音色を読み込んで、トラックに準じたMIDIチャンネルを設定し…。。

さらに必要に応じてオーディオのパラアウトまで行うと、結構な手間です。もちろんテンプレートを組んでおけば良いのですが、その枠を少しでも外れたことをしようとすると、そこで一瞬作業が止まってしまいます。

トラック数が増えてしまう

また、フレーズを打ち込むための「MIDI」トラックと、オーディオを扱う「オーディオ」トラックを別で管理しなくてはならなくなります。

パラアウトする場合、各音源のパラ信号はミキサーのAUXに戻すことになるので、単純計算でトラック数が2倍に…。1プロジェクト内に同じ音源(音色)のトラックが2つ存在することになります。

メイン画面とミキサー画面のトラックがリンクしなくなるので、フィジカル・コントローラー等を使っている場合はちょっと面倒です。回避策がない訳ではありませんが…。

マルチティンバーで使うメリット

とはいえ、マルチティンバーで使うメリットが何もない…という訳でもありません。

例えば、複数の音色をレイヤーする場合。音源側に読み込んだ音色のMIDIチャンネルを合わせれば、DAW上から1トラックでレイヤー音色を再現できます。

また動画では紹介し忘れてしまったのですが、アーティキュレーション(奏法)ごとに別のパッチを読み込んで使う音源を使う場合。この場合は逆に音源側ではMIDI チャンネルを分けておき、DAWのトラック上でノートごとにMIDIチャンネルを分けて打ち込めば、1楽器=1トラックで便利に扱えます。

場合によっては、マルチ音源の状態をパッチ化しておけば、セクション系の音色(例えばストリングス系やブラス系)の組み合わせをスマートに管理することも可能です。

CPU負荷が下がるというのは本当?

マルチティンバーを使うメリットとして、CPU負荷を抑えることができるという意見があるようですが、本当にそうでしょうか?

ということで、KONTAKTの同じ音源を5パート用意し、片方はマルチティンバーで。もう片方はインストゥルメント・トラックに直接設定し、CPU負荷を見比べてみました。

マルチティンバーで使った場合

直接インサートした場合

使っている環境や音源によっても結果は変わると思いますが、Logic + KONTAKTの組み合わせに限って言えば、インストゥルメント・トラックに直差しした方が負荷は抑えられるようでした。

特にLogicの場合は仕様上、選択しているトラックは一番右の1コアでしか処理ができず、かつCPU負荷も高くなるので、マルチティンバーで使った方が体感の負荷は高くなる傾向にあります。

オーディオ・トラックを選択した状態で、マルチティンバーで使った場合

プレイバック時に他のトラックを選んでおけば、右コア占有問題は回避することができますが、劇的にCPU負荷が小さくなる訳でもありませんし、作業中にそんなことを意識したくはありません…。。

その他にもオートメーションやMIDI CCの扱いなど、色々な理由があるのですが、これらを総合的に考えた上で、私はあまりマルチティンバーで使うメリットを感じられなかったので、ダイレクトに直差しして使っています。

皆さんの環境ではどうでしょうか? 繰り返しになりますが、正解はありませんのでご自身が使いやすい方法で使って頂くのが一番です。色々試しながら、自分のベストな使い方を見つけて見てください!

 


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