今すぐ使える音楽制作Tips 第1回 耳コピのコツと応用

講師の鈴木(@dawlessonです。

今回から新しい企画をスタートしようと思います! その名も”今すぐ使える音楽制作のTips”。このシリーズでは、特定の機材やプラグインに依存しない、曲作りやアレンジ、ミックスといった音楽制作の本質部分のTipsを紹介していくのがテーマです。

ソフトやプラグインの機能/使い方と違い、制作には“これが正解“という明確な答えはありませんので、紹介する内容はあくまでご参考程度に見て頂ければと思います。

第1回目のネタは何が良いかな…と大分悩みましたが、ここ最近お問い合わせの多い「耳コピ」をテーマにしてみようと思います。

細かい部分や具体的には、動画をご覧くださいませ。

耳コピって曲作りに役立つんです

このギター・ソロカッコ良いからコピーしてみよ〜 的な特定のパートだけコピーするとか、全パートを完全コピーするんだ! みたいなガチ(?)な目的まで、単純に「耳コピ」といっても、色々な目的があると思います。

いわゆる“耳コピ“というと、どちらかというと前者のイメージが強いのかなぁ、と思いますが、ここでテーマにしているのは後者。“DAWソフトを使って、あの曲を再現しよう!“という視点です。

耳コピの重要性については、確か「コピー動画」のシリーズを公開するときにも触れたと思いますが、コピーというと、一見すごく趣味感が強いように思うかもしれません。しかし、私自身、決してそうは思っていません。

ちょっとオーバーな表現にはなりますが「楽曲のクオリティー・アップの、1番の近道」だと思っています。

その1番の理由が、自分の引き出しを増やせるから。自分がカッコ良い曲をコピーすれば、どういうフレーズやアプローチがカッコ良いと感じたのか、冷静に分析することができます。ヒット曲をコピーすれば、多くの人の心を動かすポイントやヒット曲の法則、アプローチを学ぶことができます。

…と、わざとカッコ付けた表現をしてみましたが、要するに、他の人のテクニックを盗むとが出来るワケです。もちろん合法です(笑)。

自分では考えも付かない楽器の使い方や、メロディーの動きを知ることができるので、市販の作曲解説本を読むより何倍も効果的に引き出しを増やせます。

耳コピ をする上で重要な2つの要素

そんな耳コピですが、個人的には大きく2つの要素があると思っています。

1つ目が「音楽」としての要素。どんな楽器が、どんなフレーズで、どんな絡みや積みになっているのか…という、楽譜で表現できる要素。一般的に言う“耳コピ“は、こちらがほとんどだと思います。

DAW的に重要なのが2つ目の「サウンド」としての要素。こちらは、どんな音色がどんなバランス、どんなエフェクトが掛かっているのかという、エンジニアリング面。

この2つはどちらも重要で、音楽要素を土台に、サウンドで完成度を高めていく…みたいなイメージでしょうか。いかに音楽的な部分が完コピできても、サウンドがショボイとカラオケやホームセンターで掛かっているBGMになってしまいますので…。フレーズはコピーできても、音が似ていないと、「違って聞こえる」。これが、DAW的コピーの難しいところなのだと思います。

いつもコピーするときの流れ

以上を踏まえた上で、実際に私がコピーをするときの流れを見ていくと、

1.原曲をDAWソフトにコピー

2.テンポ割り出し

3.大まかな構成楽器の割り出しと、トラック作成

4.音色作り

5.打ち込み

6.音色作り

7.打ち込み

以下、ループ

 

みたいな感じです。ある程度音色を似せた状態で打ち込みをしないと、雰囲気やニュアンスが出せなく、後で修正することにもなるので、基本的には

音作り(ざっくり)→打ち込み→音作り(微調整)

という流れが多いです。どうしたら音色を似せられるか…というのは、音作りの引き出しを増やしていくしかないと思います。

また、これは私が飽き性なのも関係しますが、コピーの場合はセクションごとに打ち込んでいくことが多いです。どうしてかというと、ある程度完成系を見えてこないとテンションが上がらないから(苦笑)。ある意味では自作曲よりも面倒な作業ではあるので、いかにテンションを高く保てるかは需要なポイントになってくると思います。

耳コピのコツ

ようやく本題。耳コピのコツについて紹介してみようと思いますが、細かいフレーズをコピーするといったコツや技術に関しては、すでに色々なメディアで公開されていると思いますので、DAW的…「作家/アレンジャーのスキルアップのための耳コピ」という観点でのコツについて見ていこうと思います。

1.楽譜は見ない

ネットを探すと、バンドスコアやコード譜の類がいくらでも落ちていますが、それを見るというのは最終手段。最初から見るのはオススメしません。その理由は、「目で見て耳で確認」するのと「耳で聴いて目で確認」するのは、似ているようでまったく違うから。最初から音符を見てしまうと、「打ち込む」ことが目的化してしまう気がします。

また、そもそも市販や色々譜面がデータベース化されているようなサイトのスコアは間違って(オミットして)いるケースも多いので、個人的に信用度は低いです(苦笑)。

2.楽器で弾いてみる

特に生楽器のパートの場合、楽器的に無理のない/自然なフレーズや指使いというのが非常に重要になってきますので、フレーズを追うときは、鍵盤やフレット上の動きを意識しながらコピーしていくのがスキルアップに繋がりやすいかなぁ、と思います。決して流暢に弾ける必要はないですが、最初からマウスでピアノロール上に打ち込みをしていくより、遙かにフレーズに対する理解が深まるはずです。

これに慣れていくと(というより、その楽器の自然な動きが分かると)、コピーする速度は劇的に上がると思いますし、自分の曲を作るときにも「ちゃんと楽器のフレーズ」になってくれます。

3.横のラインで考える

2にも関係してきますが、ある1点を縦(時間軸)のラインで見ようとすると、どうしてもコピーは難しくなるとお思います。例えば…ですが、最初は「ド」の音。その次は「ミ」で…なんて1音づつ追うより、「ドから始まった音が、ソまで動くときに、どんな風に動くか」と、ある程度横の流れを意識すると、コピーがしやすいと思いますし、フレーズとしての引き出しが増やせます。コレ、かなり重要です。

4.ボイシングに気を配る

といいつつ、もちろん縦方向の視点は重要です。特に和音のパートに関しては、コードの展開やボイシングも意識してコピーしていくのが良いと思います。

とはいえ、普通にコードとして捉えてしまうと中々ボイシングまで聴き取れないと思います。そんなときは、和音であろうと単音として考えて、パッと聞いたときに耳に入ってくる音をまず1音でとってあげます。大体の場合、その音がコードのトップ・ノートになっているケースが多いと思いますので、あとはその音を聞きながら4和音なのか、3和音なのか…を考えていくとスムーズです。

トップ・ノートを意識する

また、コードに限らずすべての楽器で、トップ・ノートとメロディーの位置関係を意識しながら作業するのもオススメです。歌モノ楽曲の場合、歌を映えさせるために、各楽器がどのような役割を担っているのか…。なんて点に注目すると、アレンジの精度が一気に高まるはずです。

聞き取りにくい音を探す方法

大それたものではありませんが、楽曲によってはどうして細かい部分まで聴き取れないという場合もあると思います。そのときにどうしているか… を紹介してみます。

1.EQをいじる

定番の方法だと思いますが、やはりEQを使うのは一定の効果があると思います。

このときにEQをどう使うか…ですが、やはりミックスと同じくカット方向に使うのが基本かなぁと思います。低域や高域をガッツリとカット…も良いですが、その音が聴き取りにくい原因になっている音をカットするようにすると、音量感や全体の曲の雰囲気を保ったまま作業ができます。

2.定位をいじる

傾向として、センターから出ている音より、左右で鳴っている音の方が聴き取りにくいと思います。そのときに私が良く使っているのが、Boz Digital Labというメーカーの「Panipulator」というフリー・プラグイン。

https://www.bozdigitallabs.com/product/panipulator/

左右の信号を反転したり、逆相にする、モノラル化することができるプラグインなのですが、ポイントがモノラル化。モニター・コントローラーなど一般的なモノラル・スイッチは、左右の信号をミックスしてモノラル信号を作りますが、Panipulatorの場合はL/Rを個別に抜き出すことができるので、右から出ている信号をセンターで聞く… なんて使い方が簡単に行えます。

また、左右の位置を細かくコントロールしたいときには、WavesのS1 Shufflerを使うことで、任意の場所に定位している音を、定位バランスを保ったままセンターに持ってくることができます。

 

初回ということで、かなり気合いを入れてテキストを書いてしまいましたが(汗)、耳コピも曲作りも実践あるのみ! 何かしらのヒントになれば嬉しいです。

今後のテーマを募集します!

いつものことなのですが、今回の「今すぐ使える音楽制作のTips」企画も思いつきで見切り発車しています。

そのため、次回のネタが決まっていません(汗)。次回はネタが決まり次第…という状況ですので、もし「こんなテーマを取り上げて欲しい!」というネタがあれば、お気軽にコメント/フォームよりお問い合わせ頂ければと思います。

必ずお応えできる…と断言はできませんが、可能な限り検討させて頂きますので。。


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